ストレスチェックの項目数はどれを採用すればよい?57項目、80項目、23項目の違い

ストレスチェックの実施は安全衛生法で定められていますが、その質問項目は決まったものがありません。一般的には57問、80問がありますが、独自の質問が入ったものなど、さまざまです。 項目数が少なければ従業員の負担ももちろん少なくすみますが、課題把握ができず、実施した意味がなく終わることもあります。それぞれにメリット、デメリットがありますので、衛生委員会等でしっかりと審議することが推奨されています。 そこでここでは、ストレスチェック調査票のもっとも一般的な57問、80問の違いと、項目を独自追加するときの注意点などを解説します。

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ストレスチェックとは?

ストレスチェックとは、労働者のストレス状況を早期に把握し、メンタルヘルス不調のリスクを未然に防ぐために実施する検査です。一定の条件を満たした企業は、労働安全衛生法によりストレスチェックが義務づけられています。

厚生労働省推奨の「職業性ストレス簡易調査票」

ストレスチェックの調査票は、法令で指定されたものがありません。そのため、各企業で独自に用意する必要があります。

厚生労働省では「職業性ストレス簡易調査票(57項目)」を用いることを推奨しており、実際には多くの企業がこの57項目版を使用しています。

1万人を超える人で実証済み

厚生労働省が推奨する「職業性ストレス簡易調査票」は、1999年に研究班が21企業の多職種・多業種を対象に調査を実施し、12,274名で信頼性、妥当性が実証されています。

ストレスチェック義務化対象になる企業の条件

労働安全衛生法の改正により、2015年12月から常時50人以上の労働者がいる事業場でストレスチェックを毎年実施することが義務化されました。ストレスチェックの対象となる労働者には正社員だけでなく、パートやアルバイト、契約社員や派遣労働者も含まれます。

ストレスチェックを実施しなくても罰則はありませんが、労働安全衛生法では労働基準監督署への報告を義務づけています。労働基準監督署への結果報告を怠ると、50万円以下の罰金が課せられます。

労働者が常時50人以下の事業場であれば、ストレスチェックを行う義務はありません。しかし、複数の人間が働く環境には少なからずストレスが生じます。そのため、労働者の人数に関係なく、定期的なストレスチェックを行い、働きやすい職場に改善することが望ましいといえます。

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ストレスチェックの内容とは?

ストレスチェックには必ず含めるべき内容が規定されています。

ストレスチェックに求められる3領域

労働安全衛生規則では、「仕事のストレス原因」「心身のストレス反応」「周囲のサポート」の3領域の質問事項を含むことを規定しています。

「仕事のストレス原因」は、仕事の作業環境や労働時間、仕事の量や人間関係などのストレスの原因に関する質問事項です。

「心身のストレス反応」は、自分がどんな感情なのか、体に出ている症状など、ストレスの反応から今の状態を調査します。

「周囲のサポート」は、自分の身の回りにサポートしてくれる人や頼れる人がいるかといった項目が含まれており、今後のストレス緩和につながる可能性をみる質問事項になります。
上記3領域の質問項目を点数化し、高ストレス者を判定します。

もっとも一般的なのは「57問」だが、不十分なところも。

厚生労働省では57項目の使用を推奨していますが、具体的な項目数は各企業が自由に選定できます。近年は80項目版が主流になりつつあるので、企業の目的に応じて項目数を増やす対応が必要です。

基本となる「57項目版」

多くの企業で使用されているのは、厚生労働省が推奨する57項目版の調査票です。57項目版はストレスチェックに必要な3領域をすべて網羅しており、5分程度で手早く調査できることがメリットです。

しかし、57項目版は労働者個人のストレス状態を調査する目的で作られているため、職場の環境改善につなげるには不十分なところもあります。職場の課題を明確にして改善要素を分析したいなら、項目数を増やすことを検討してみましょう。57項目版をベースにして項目数を増やすことをおすすめします。

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ハラスメント調査など、職場環境改善につなげやすい「80項目版」

近年、多くの企業から注目を集めているのが「新職業性ストレス簡易調査票」と言われる80項目版です。

57項目版との違いは、個人のストレス反応だけでなく、働きがい(モチベーションなど)や上司のマネジメント、ハラスメントを測定できる点です。特にハラスメントに関しては、2020年6月(中小企業は2022年4月)、俗にいう「パワハラ防止法」が施行され、会社側が対策を講ずる事が強く求められるようになりました。職場環境の改善に重点を置くのであれば、80項目版の調査票を用いたほうが良いでしょう。

調査には10分程度の時間がかかりますが、職場改善の効果が期待できることから、80項目を採用する事業場が増えつつあります。

「23項目版」とは?

厚生労働省が推奨する57項目版の内容を簡略化したものが、23項目版の調査票です。項目数が少ないとはいえ、3領域の要件をクリアしているため、個人のストレス状態を知ることは可能です。

ただし、23項目版は簡略版になるので、最低限の情報しか得られません。もともと中小規模事業場での実施を想定して作成されたものなので、従業員のストレス状態をより深く調査し、職場環境の改善につなげたいのであれば、不十分で実用的とは言い難いでしょう。実際に、23項目版を採用している企業はほとんどありません。

ストレスチェックの項目は追加できる?

ストレスチェックの項目は独自に追加できます。厚生労働省から出されている「職業性ストレス簡易調査票」を参考にしながら、企業ごとに必要に応じて項目を増やしましょう。ただし、項目を追加するときは、いくつか注意しなければならない点があります。

3領域を必ず含める必要がある

ストレスチェックの項目には必ず、「仕事のストレス原因」「心身のストレス反応」「周囲のサポート」の3領域を含める必要があります。この3領域を含んでいれば、項目数を増やしても減らしても問題はありません。3領域の要件を満たしていれば、事業者のオリジナルの調査票を使用できます。

ストレスチェックに含めることが不適当な項目

ストレスチェックは性格検査や適性検査、うつ病等の精神疾患のスクリーニングを目的とするものではありません。そのことに留意して項目選定をする必要があります。
また、希死念慮や自傷行為に関する項目は、背景事情を含めた評価や事後対応が必要不可欠であるため、フォローアップ体制が不十分な状態でストレスチェックに含めるべきではありません。

目的に合わせてストレスチェック項目数を選ぼう

ストレスチェックには57項目、80項目等がありますが、これらは法令で規定されたものではありません。そのため、各企業が独自に項目を選定し、衛生委員会で審議のうえ、ストレスチェックの実施する必要があります。

より詳細な情報を取得し、職場環境の改善につなげたいのであれば、80項目の利用をおすすめします。

ストレスチェックの趣旨をきちんと理解して、各企業の目的を満たす項目数を選び、必要に応じて質問事項を追加していきましょう。

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