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メンタルヘルス| 2021.06.25

「ストレスチェック徹底解説①」ストレスチェック集団分析とは?目的とポイント、企業のメリットを解説

健康経営の重要性が叫ばれる中、各社さまざまな対応を講じていることと思います。 しかし、多種多様な背景を抱え、人間性や思考も異なる人物が集まる企業の中で、すべての従業員に対して完璧なメンタルヘルス対策を講じ「不調者ゼロ」を維持するのは、非常に困難なことであると言わざるを得ません。 そこで企業の健康経営推進を手助けする存在は「ストレスチェック」と、それに伴う「集団分析」です。 今回は、ストレスチェックの概要から、集団分析の意義やメリットなどを解説していきます。

目次

  • ストレスチェックとは高ストレス判定者を顕在化するもの
  • ストレスチェックの集団分析とは
  • ストレスチェック集団分析で高ストレス判定者の特定は不可
  • ストレスチェック集団分析を行う企業のメリット
  • ストレスチェック集団分析は継続することで成果が得られる
  • ストレスチェック集団分析で全社の健康課題の把握と改善を推進しましょう

ストレスチェックとは高ストレス判定者を顕在化するもの

ストレスチェックは、メンタルヘルス不調への進行を防ぐため、従業員に自身のストレス状態の気づきを促します。いわゆる「一次予防」の推進が目的です。
さらに、日頃の一次予防対策をすり抜け、高ストレス状態に陥ってしまった従業員を早期発見し、産業医面接の実施まで導くことも求められています。
現状は、常時50人以上の従業員が所属する事業場に対して年に1度の実施義務が、50人未満の事業場には努力義務が課されている状況です。

実施者は自社を最も把握している産業医が適任

ストレスチェックの実施は、労働安全衛生法の定めにより、産業医を含む医師や保健師が担います。
また、厚生労働省認定の研修を受講した看護師、歯科医師、精神保健福祉士、公認心理士も実施者として認められます。
しかし、実施後に行うべき従業員のケアまで考慮すると、事業場の状況を把握し、身近で従業員の健康と向き合っている産業医が適任です。
上記いずれの手配も難しい場合、または自社の意向として、外部機関に委託する選択肢もあります。

実施事務従事者は人事権を持たない従業員や外部機関

実施事務従事者とは、実施者の指示の基、従業員との連絡やストレスチェック結果のデータ取り扱いを担う立場にあります。
そのため、結果の影響を受け従業員のキャリアなどに不利益が生じることがないよう、人事権を持つ従業員や管理職、役員は、実施事務従事者として認められません。
ただし、あくまでも人事権の有無がポイントとなるため、たとえ人事部に所属していても、人事権を行使する立場にない一般社員に関しては、上記に該当しないとみなされます。

ストレスチェックの集団分析とは

集団分析とは、ストレスチェック結果を用いた職場環境の改善を目的としています。
結果を集計、分析し、従業員のストレス要因となる問題や課題の解消に向けた対応を講じます。

ストレスチェック集団分析の意義は小さな火種をなくすこと

集団分析の意義は、従業員のストレス要因となっている火種をなくすことにあります。
先述したように、集団分析の目的は、ストレスチェックから自社の課題をあぶり出し、解消に向けた具体的な対策を講じていくことです。
しかしこの際に、一足飛びに斬新で大きな改革を打ち出し成果をあげようとしても、そううまくはいきません。
着実な成果を狙うなら、小さな火種をひとつずつ解消することが大切です。
そしてその積み重ねが、結果的に大きな改革になると認識しましょう。
ストレスチェック集団分析は、小さな火種を把握し向き合い、解消することに意義があるものです。

ストレスチェック結果の取得、開示範囲は限定的

集団分析においてネックなのは、企業は従業員の同意なしに個人結果を取得できない点です。
ストレスチェック結果を扱う実施者や実施事務従事者には守秘義務が課されており、個人が特定できる形での情報開示は禁止されています。
そのため、個人につながる情報を隠し、数値のみを集計、分析する集団分析の手法がとられているのです。
それだけでなく、集団分析結果の開示に関しても、あらかじめ衛生委員会などで定めた開示範囲に限定されます。
これは、該当事業場、部署の管理職などが、不利益な評価を被らないための配慮です。
ストレスチェックは企業の健康経営推進において重要な役割を果たす一方、取り扱いに制限がある煩わしさは受け入れなければなりません。

ストレスチェックは義務だが集団分析は努力義務

ストレスチェックの実施は、常時50人以上の従業員がいる事業場に課された義務です。
しかし、集団分析は法令で義務化されておらず、現状努力義務にとどまっています。
そのため、無実施により企業に罰則が科されることはありません。
しかし冒頭で触れたように、ストレスチェックは健康経営推進の大きな助けとなるものです。
たとえ小規模事業場で、従業員同士がお互いに気心を知れた仲だとしても、人の本当の悩みやストレスを理解し慮って行動することは、そう簡単ではありません。

さらに、本人の自覚なしに高ストレス状態に陥っている状況も大いに考えられます。
集団分析でもたらされるメリットを適切に把握していれば、事業場規模による義務の有無にとらわれ実施しないという結論には至らないでしょう。

ストレスチェック集団分析で高ストレス判定者の特定は不可

根本的にストレスチェックの個人結果が取得できないということは、たとえ集団分析を行ったとしてもそれは変わりなく、企業側は高ストレス判定者を特定できません。
つまり、集団分析結果を活用し、高ストレス判定者にピンポイントでアプローチすることも不可能ということです。
高ストレス判定者自身が産業医面接を希望すれば企業側は認識可能ですが、その割合は決して高くなく、全員の把握までには至らないでしょう。

ストレス要因の多くは労働環境や第三者が関係している

「それなら集団分析の意義はないのでは?」と疑問を感じる方もいるかもしれません。
しかし集団分析の実施は、やはり意義を持つものです。
なぜなら多くのストレス要因は、高ストレス判定者ひとりが引き起こしたものではなく、労働環境や第三者が絡んでいるためです。
高ストレス判定者の面談にピンポイントでアプローチし、ストレスや不安を軽減させられても、それだけではストレス要因の根絶までには至りません。
本当の意味での職場改善には、多面的な視点を持ち、高ストレス判定者だけでなく、周辺を取り巻く状況から改善を試みる必要があります。
形式的な集団分析で終わらせては確かに意味を成しませんが、データの扱いようによって十分に意味を成すものとなるはずです。

ストレスチェック集団分析を行う企業のメリット

ここで改めて、ストレスチェック後に集団分析を実施する企業視点のメリットを解説します。

高ストレス状態にある従業員を属性別に把握できる

集団分析の実施により、事業場内にどの程度高ストレス判定者がいるのか把握できます。
先述の通り個人の特定まではできませんが、有無と人数が明らかになれば、職場改善の方向性を見定めやすくなるでしょう。

より具体的かつ効果的な職場環境の改善策がわかる

集団分析は、性別や年齢、所属、役職など、あらゆる属性ごとに分析が可能です。
そのため、可視化されていなかった課題が浮き彫りとなり、より具体的で効果的な対応を講じることが可能です。
傾向が思わしくない事業場には、その原因を探り解消を目指すアプローチを行えます。
反対に、特段懸念点がない事業場に関しては、良好なメンタルヘルス状態を保てる要因を探り、ほかの事業場に反映させていくことで好影響も期待できるでしょう。

経営層へ健康経営の理解を促す材料となる

集団分析は、健康経営の取り組みに消極的な経営層にアプローチし、健康経営を加速させるきっかけにもなり得るものです。
世の中の動向として健康経営の推進が目立っているものの、すべての会社の経営層が健康経営に積極的とは限りません。
そこで自社従業員のメンタルヘルス状態を客観的に数値化し、早急に行うべき対応を提示することで、経営層へ自社従業員のメンタルヘルス状態の正しい理解と危機感の保持を促せます。
理解が得られれば、健康経営の取り組みを経営層からプッシュしてくれるなど、ポジティブな影響が期待できます。

集団分析結果を生かせば会社全体の生産性アップにつながる

集団分析により職場環境の改善が図れれば、従業員のメンタルヘルスが安定し、業務効率や生産性、業績アップにつながります。
そして従業員が安定したメンタルヘルスで仕事にやりがいを見いだせれば、休職や退職などの離脱防止にも効果的です。
集団分析は各リソースを割く必要があり、一見非効率に思えるかもしれませんが、長い視点で捉えれば全社の生産性の底上げを確実、かつ持続的に実現する手段とも言えるでしょう。

ストレスチェック集団分析は継続することで成果が得られる

集団分析は、継続するほどに価値があるものです。
集団分析は現状確認であると同時に、効果測定の役割も持っています。
つまり、前年の集団分析結果を踏まえ行ってきた職場改善が、1年経過しどの程度成果を発揮しているのか確かめる機会となるのです。
そのため、単発で終わらせるのではなく毎年継続的に実施し、職場改善のPDCAサイクルを回していくことで、集団分析の意義を高められます。

ストレスチェック集団分析で全社の健康課題の把握と改善を推進しましょう

ストレスチェック結果を活用した集団分析は、全社の健康課題を突き止め、改善に向けた具体的なアクションを進める大きな手掛かりです。
ストレスチェックが法制化されたことで、世間では「メンタルヘルス対策=休職者対策」のような印象を持たれていますが、企業はそのような場当たり的な思考に依存するのは危険です。

現代の多様な働き方が従業員のメンタル、フィジカル双方に対し、どのような健康課題をもたらしているのか、的確に把握することが重要でしょう。
実際に、近年はメンタルヘルスが注視される傾向ですが、糖尿病や高血圧などの生活習慣病の方が、休職やプレゼンティズムの低下の原因となっている企業もあります。
そのため、まずは世間動向に左右されず、自社としての事実を把握する必要があるでしょう。
このようなリスクに対し効果的にアプローチできるのが、健康管理システム「WELSA」です。
WELSAは、メンタルとフィジカルの両面に対し、健康課題の把握や組織の課題分析、対策までワンストップのサポートが可能です。
効果的な職場改善を行うには、より多くのデータを集めるに越したことはありません。
健康管理システム「WELSA」は、健康経営の加速をサポートします。