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健康経営| 2021.01.20

「健康経営」は企業が取り組むべき課題。得られるメリットとは?

人生100年時代と言われる昨今、労働者一人ひとりが自分自身の健康を労わろうという風潮が近年盛り上がりを見せています。そんな中、企業側からは「健康経営」が近年クローズアップされつつあるのです。この記事では、健康経営とは一体どのようなものなのか、そのメリットはなにか、具体的な施策のステップはどのようなものかなどについて紹介していきます。

目次

  • 健康経営とは?
  • 健康経営がもたらすメリット
  • 健康経営をするべき会社
  • 健康経営をする上で必要なこと
  • 健康経営に関わるワークライフバランス
  • 健康経営の実施
  • 健康経営で売り上げを伸ばそう

健康経営とは?

健康経営とは、1990年代のアメリカに起源のある考え方です。保険制度が確立していないアメリカでは医療費が高く、健康を害す社員が多ければ多いほど医療費にかかる会社の負担が増加し、企業経営に大きな影響を与えることになるという問題を抱えています。
そのため、社員の健康意地や促進に対して、中長期的に投資することが企業の経営にとっても大きな利益になると考え、健康経営という概念が生まれたのです。現在、日本ではこの健康経営について経済産業省が推奨し、国を挙げて普及に向けた啓発活動を行っています。

現代社会が抱える問題

健康経営が今の日本で必要とされているのには、現代社会が抱えるさまざまな問題が背景にあります。その問題にはどのようなものがあるか挙げてみましょう。

少子高齢化社会による人材不足

今の日本では

少子高齢化による人材不足

は深刻な問題となっています。人材が不足した状態でこれまでの生産性を維持するためには限られた数の社員に長時間労働を強いる必要が出てきてしまう可能性があるのです。
そのような労働条件下では当然のことながら社員の健康の維持や向上は難しくなってしまい、生産性が低下してしまう結果になりやすいと考えられます。

企業が負担する医療費の増加

前述したようにどの会社でも人材が不足した状態で生産性を維持する必要があるため、社員の労働環境は必然的に過酷なものになりがちです。そのため社員が疲弊したり、過度のストレスにさらされたりして健康を害する割合が多く、会社が経費として負担する医療費が増加しているという問題があります。

ブラック企業の労働状況

近年ブラック企業の存在が非常に大きな社会問題として注目されています。極端な長時間労働やノルマの負担、無報酬での残業やパワーハラスメントなどが横行するブラック企業。
そのようなブラック企業の過酷な労働環境で働く労働者の健康への被害や自殺の問題などが絶えない現状を解決するために、健康経営の考え方は大きな打開策の1つとなると考えられているのです。

健康経営がもたらすメリット

たくさんの問題を抱えた今の日本社会において、健康経営が必要とされる背景について説明しました。ここからは、会社と社員にとって、健康経営が与えるメリットにはどのようなものがあるのか挙げていきます。

社員のメリット

・康意識が高まる
健康経営の実施によって、社員一人ひとりの健康への意識が高まることにより、健康維持への正しい知識を得るようになり、正しい食生活や運動習慣を身につけ、実際に健康状態を維持・向上することが可能になります。
・労働生産性がアップ
健康経営に則って健康状態が維持・向上されると、社員一人ひとりの労働生産性がアップするというメリットがあるでしょう。
・モチベーションの向上
健康経営を取り入れた労働環境で働くことは社員の心身の健康状態が向上するとともに、仕事に対するモチベーションが向上するというメリットがもたらされると考えられます。
また、健康経営に取り組んでいる会社に対しては、労働環境の悪い会社には持つことのできない誇りを持つことができ、社員は高いモチベーションを持って仕事に取り組むことができるでしょう。

会社のメリット

健康経営が会社に与えるメリットにはどのようなものがあるのか、挙げてみます。
・人材の確保と離職率の低下
過酷な労働条件のもとに社員を働かせている会社では社員の健康状態は悪化する傾向にあり、体調不良によって休職したり離職したりする社員は増えてしまうのです。
また、そのような会社の実態が明らかになるにつれ、新たな人材の補填もさらに難しくなってきます。健康経営に取り組んだ会社では休職率や離職率は減り、新たな人材を獲得できる確率も上がってくるというメリットがもたらされると考えられるのです。
・企業の信頼と収益のアップ
経済産業省が健康経営に取り組む法人を顕彰する、「健康経営優良法人」という制度があります。「健康経営優良法人」として認定されると、社員の健康維持や増進を積極的に経営的な視点で取り組んでいる法人として、広く社会的な評価を受けることが可能です。
また、健康経営の考え方を盛り込んだ労働環境で働く労働者は健康状態が向上し、労働生産性がアップするので、会社全体の収益もそれに伴ってアップすると考えられます。健康経営に取り組んだ会社では健康を害して医療機関に通わなければならなくなる社員が減るので、会社が経費として負担する医療費が削減され、結果的に収益のアップを図ることができるのです。

健康経営をするべき会社

ここまでは、健康経営が社員と会社にもたらすメリットについて説明しました。ここからは健康経営に向いている企業はどのような企業なのか、具体的に挙げていきます。

社員の健康状態が悪い会社

恒常的に社員の健康状態が悪いような会社では医療機関に通わなければならない社員が多くなり、会社が負担する医療費が大きくなってしまいます。そのような会社が健康経営を導入することで医療費が削減でき、資金を新たな投資へと回すことが可能となるのです。また、社員全体の健康状態が向上すると、労働生産性がアップし、結果的に収益のアップを図ることも期待できます。

労働条件が整っていない会社

社員の健康維持や向上にとって十分な労働条件が整っていない会社では、社員が遅刻や早退、欠勤を繰り返すなどの兆候が見られます。そのような状態を放置すると、結果的に社員の休職や、離職につながり、貴重な人材を失ってしまうでしょう。
また、残された社員の負担も増え、新たな人材の補填にも費用がかさんでしまいます。労働条件の整っていない会社で健康経営を導入することは、中長期的な視点で見て会社全体の収益のアップにつながるのです。

健康状態が安全に直結する会社

旅客機や電車、バスなどの運輸業や、危険物を取り扱ったり、大きな事故の可能性を伴う生産業などは社員の健康が安全に直結します。社員の健康状態が業務に大きく関わる会社が健康経営に取り組むことは、非常に大きなメリットとなるのです。
社員の健康状態が悪化することは、判断ミス・行動のミスにつながることも。最悪の場合は健康に起因する重大事故につながりかねないので、前述したような会社での健康経営の実践は絶対的に必要だと言えるでしょう。
「1つの重大事故の背後には29の軽微な事故があり、その背景には300の異常が存在する」というのは労働災害の経験則として有名な「ハインリッヒの法則」の言葉です。小さな異常が現場で続くような会社であれば、健康経営を早急に導入することで大きな損失から免れることができるかもしれません。

健康経営をする上で必要なこと

先程はどのような企業が健康経営に取り組むとメリットが大きいのかについて説明しました。それでは実際に健康経営を行う上で必要な施策にはどんなものがあるでしょうか。
経済産業省と東京証券取引所が、東京証券取引所に上場している企業の中から、健康経営への取り組みが特に優れた企業として選定している「健康経営銘柄」を参考にして解説します。

社員の意識改革

実際に健康経営に取り組んでいく上で、最も重要なのは社員の意識改革だと考えられます。しかし、それまで日常として当たり前になっていた毎日の働き方への意識を急に、それも広く社員全体が変えることは、なかなか容易なことではありません。健康経営を確実に実施するために、どのように社員の意識を変えていけば良いのでしょうか。具体的に説明します。
・社員を教育する
社員に健康経営への意識を浸透させるため、健康セミナーや推進会議、個人面談を実施して、健康経営へのリテラシーを高めるよう社員を教育していくことが必要です。また、健康診断の受診を積極的に推奨するとともに受診結果を振り返り、健康増進のための解決策や働き方の改善方法を検討するようにします。
・社内外に広く周知する
社内だけでなく、社外に向けても健康経営に取り組んでいることを周知することで、社員の健康経営への意識改革を促します。具体的にはオフィス内に受動喫煙防止のための分煙・禁煙を啓発するポスターや、食生活の改善に関するポスターを社員食堂や売店の近くに設置するなど、健康増進のメリットを社内外に向けて周知しましょう。
・企業全体で取り組む
役員以上が健康増進の責任者となり、企業全体で健康経営に取り組む体勢を築き、社員全体に意識改革をトップダウンで促します。

健康経営に関わるワークライフバランス

ワークライフバランスとは、ひとことで言うならば「仕事と生活の調和・調整」なのですが、このままだと解釈はいかようにもできる言葉ではあります。
より詳しく説明すると、生活の充実によって仕事の効率が上がり、仕事がうまくいくことによって生活もより充実するという、いわば生活と仕事の相乗効果のことを指す言葉だと考えられるでしょう。生活の充実は健康の維持・促進のためには欠かせない要素です。
よって、健康経営にはこのワークライフバランスは重要な関連事項だと言えるでしょう。健康経営を効果的に実施するために、企業ができるワークライフバランスのための取り組みにはどのようなものがあるのでしょうか。具体的に挙げてみます。

多様な働き方支援

健康経営に必要な社員の健康維持・健康促進を図るために重要なワークライフバランスを実現するため、企業には多様な働き方を支援する体制が必要だと考えられています。ワークライフバランスの実現のために有効な、多様な働き方への支援には具体的にどのようなものがあるのでしょうか。

在宅勤務・フレックス制度の導入

社員それぞれの生活を充実させるため、在宅勤務やフレックス制度の導入を実施し、さまざまな生活スタイルに合った働き方ができるようにすることが健康経営の成功にとっても重要な施策になると考えられます。

社員のメンタルヘルスケア

厚生労働省が平成30年に実施した、「労働安全衛星調査(実態調査)」によれば、従業員が50人以上在籍している事業所で、メンタルヘルス(心の健康状態)の不調によって連続1ヶ月以上の休業をした労働者がいる割合は、なんと26.4%にも上ります。これは、従業員が50人以上在籍している事業所の約4社に1社はメンタルヘルスが原因で長期休業した従業員がいるという計算になるのです。
メンタルヘルスの不調は体調不良に比べると周囲からは判断しにくく、実際には計上されていないケースがあることが考えられるため、健康経営に取り組む企業にとって、メンタルヘルスケアを行うことは非常に重要な施策であると考えられます。
具体的なメンタルヘルスケアの施策としては、職場でのストレスチェックの実施や、不調の早期発見、メンタルの不調によって休業した社員の復職に向けたサポートなどが考えられるでしょう。

健康経営の実施

ここまで健康経営のメリットや健康経営を成功させるために重要な要素などを説明しました。それでは、実際に健康経営を実践する場合、どのように実施されるのでしょうか。
健康経営を実施し、健康経営優良法人に選ばれた例を参考に、健康経営を導入する際の4つのステップごとに事例を上げていきます。

社員の健康状態を可視化する

社内で働く社員の健康状態は、見た目だけでは判断できません。そのため、対策や環境づくりから改善を行い、誰しもが分かるような可視化が経営者として求められます。
・実施できる環境作り
経営層全体で健康経営の導入の必要性を共有したり、担当者や担当部署を設置したりするなどして導入しやすい体制作りを行います。たとえば、肉体作業の空いた時期に健康診断の受診期間をあて、限られた季節に労働する人員にも受診を勧める、といったことが挙げられます。
・対策を立てる
自社の健康課題を見つけ出し、目標を定めたうえで施策を実行します。例えば、実際の労働災害をきっかけに安全大会を行うことや、定期健康診断の結果から再度検査が必要な社員への面談などを行うなどです。
・取り組みを評価して、フィードバックする
施策の効果を経営層を含めて確認し、現状の取り組みへの評価を行い、次の取り組みへと生かしていきます。フィードバックを繰り返すことで、小さなミスも防げるほか、よりよい健康経営の糧として生かすことができるでしょう。

健康経営で売り上げを伸ばそう

以上、健康経営について説明しました。世界的な情勢不安の中、日本でも様々な不安要素が企業経営、そして労働環境に見受けられる昨今です。企業の経営者だけではなく、労働者の側である社員、従業員も、経済産業省が推奨している「健康経営」について知り、本質を見極めていく必要があると考えられます。