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健康管理| 2021.04.28

【衛生管理者徹底解説】選任条件や受験資格、1種2種の違い、合格率について

衛生管理者とは、労働安全衛生法に基づいて設けられた国家資格です。 有資格者は衛生管理分野のスペシャリストとして、所属する事業場の衛生管理に携わることになります。 衛生管理者はある条件を満たした場合、すべての事業場で設置しなければなりません。 今回は衛生管理者の仕事内容や設置義務の詳細、国家試験の内容について解説します。

目次

  • 衛生管理者の仕事とは
  • 衛生管理者の選任義務は従業員50人以上のすべての事業場にある
  • 衛生管理者の受験資格は実務経験が必須
  • 衛生管理者試験の難易度
  • 出題範囲は第一種・第二種ともに3つのセクションから
  • 衛生管理者試験の概要
  • 試験合格後は免許申請が必須
  • 衛生管理者の未選任には罰金50万円以下が科される
  • 先々を見据えて早めの準備を心がけましょう

衛生管理者の仕事とは

衛生管理者とは、事業場の衛生管理を司るポジションです。
業務は多岐に渡りますが、主に以下のような役割を担うことになります。

・従業員の危険、健康障害の防止
・健康保持、増進の取り組み
・従業員に対する安全、衛生教育
・労働災害にかかる対策、調査

上記遂行にあたり必要な対応を見定めるため、最低でも週に1度の定期巡視を実施し、作業環境や設備、従業員の健康状況を調査します。
その中で健康保持に有効なあらゆる策を打ち出し精査しながら、従業員が疾病リスクに晒されることなく、健康で生き生きと働ける職場環境を構築するのが衛生管理者の仕事です。

衛生管理者の選任義務は従業員50人以上のすべての事業場にある

従業員が常時50人以上いるすべての事業場には、衛生管理者の選任義務が発生します。
選任した衛生管理者は、該当する事業場の専属としなければなりません。
ただし衛生管理者を複数人選任した事業場で、その中に労働衛生コンサルタントが含まれる場合、労働衛生コンサルタント内の1人に限り兼任が認められます。

選任すべき衛生管理者の人数は一定ではない

選任に関して注意すべきは、事業場で常時働く従業員の人数によって、選任すべき衛生管理者の人数が変動するという点です。

・50~200人:1人以上
・201~500人:2人以上
・501~1,000人:3人以上
・1,001~2,000人:4人以上
・2,001~3,000人:5人以上
・3,001人~:6人以上

上記のように、規模に比例して必要とされる衛生管理者数も増加するため、事業場ごとに選任漏れがないよう注意しましょう。
また、1,001人以上の事業場と、501人以上で坑内労働や労働基準法施行規則第18条で定められた業務に30人以上従事している事業場は、その事業場専任の衛生管理者が必要です。

14日以内に選任し遅延のない届け出が必要

衛生管理者は、選任義務が発生してから14日以内に選任し、遅延なく管轄の労働基準監督署へ届け出なければなりません。
選任義務が発生するタイミングは、前項の通り事業場の従業員数超過が主となりますが、以下のようなシーンも該当するため覚えておきましょう。

・退職などを理由に衛生管理者が不在となった
・事業場の業種変更(第二種から第一種へ変更)
・従業員50人以上の新規事業場を開設

第一種と第二種の違い

衛生管理者には、第一種と第二種が存在します。
双方のすみわけは業種にあり、第一種はすべての業種を網羅しているのに対し、第二種では衛生管理の必要性が特に高いと定められる以下13業種が除外されます。

■第二種除外13業種


鉱業、建設業、清掃業、医療業、電気業、ガス業、水道業、運送業、熱供給業、機械修理業、自動車整備業、農林畜水産業、製造業(物の加工業を含む)

上記のように網羅する業種が異なるため、その分試験の出題範囲も第一種の方が広域となります。
自社事業場で必要な資格がどちらなのか、必ず確認しましょう。

衛生管理者の受験資格は実務経験が必須

衛生管理者試験を受験するには、労働衛生の実務に従事した経験が必須です。
求められる経験年数は、卒業した学校種別によって変動します。

・大学、短期大学、高等専門学校:1年以上
・高等学校:3年以上
・それ以外:10年以上

試験申込み時には、上記を証明するための各書類の提出が定められています。

衛生管理者試験の難易度

衛生管理者試験は、次項で解説する3つの出題セクションでそれぞれ4割以上の得点、全体で6割以上の得点を獲得しなければなりません。
たとえひとつのセクションで満点を取ったとしても、その他セクションが3割しか正解していなければ不合格となるため、幅広い出題範囲を満遍なく勉強する必要があります。
なお、令和元年度の合格率は、第一種が46.8%、第二種が55.2%です。
上記数値から見ても、付け焼き刃の勉強で簡単に合格できる資格ではないということを認識しておきましょう。

出題範囲は第一種・第二種ともに3つのセクションから

衛生管理者試験の出題は、第一種第二種ともに、労働衛生、関係法令、労働生理の3つのセクションから構成されています。
ただし、第一種の方が問われる知識が多いため、設問数は多くなります。
試験時間は双方3時間です。

■第一種:全44問
①労働衛生 ②関係法令
有害業務に係るもの:10問 有害業務に係らないもの:7問
③労働生理:10問

■第二種:全30問
①労働衛生 ②関係法令 ③労働生理:10問

衛生管理者試験の概要

ここからは、衛生管理者試験を受験するにあたって把握しておきたい概要を解説します。

実施会場と頻度

衛生管理者試験は、以下の全国7ヶ所で実施されます。

・北海道センター:北海道恵庭市
・東北センター:宮城県岩沼市
・関東センター:千葉県市原市
・中部センター:愛知県東海市
・近畿センター:兵庫県加古川市
・中国四国センター:広島県福山市
・九州センター:福岡県久留米市

関東センターは、毎月4~7回と高頻度で開催されています。
その他センターも毎月開催はありますが、関東より低頻度で月によりばらつきがあります。
申し込み期限は、希望する試験日から見て、郵送は2週間前、窓口への持参は2営業日前までです。
ただし、センターによっては2ヶ月先まで満員というのも珍しくないため注意しましょう。

試験手数料

衛生管理者試験の手数料は、第一種第二種共通して6,800円です。
受験申請書に同封されている払込用紙で、事前支払いが必要です。

必要書類

衛生管理者試験の申し込みに必要な書類は、以下の通りです。

1. 受験申請書
試験を主催する安全衛生技術試験協会に請求し入手します。

2. 事業者証明書
自社での押印が必要です。

3. 証明写真
3cm×2.4cmのものを用意します。

4. 自身が合致する受験資格で定められている添付書類
卒業証明書など母校に取り寄せる必要があるものは、学校により数週間程度時間を要する可能性もあるため、早めに対応しましょう。

申し込み準備から受験までの流れ

衛生管理者試験申し込みの大まかな流れは、以下の通りです。

1. 受験申請書の請求
2. 添付書類を揃える
3. 受験申し込み書類提出
4. 受験票受け取り
5. 受験
6. 合否通知

前項で先述したように、1~2の工程では各機関に書類を取り寄せたり、社内で押印を依頼したりしなければならないため、思いのほか時間を要します。
希望受験日の締め切りに間に合うよう、注意しましょう。

試験合格後は免許申請が必須

試験合格後忘れてはならないのが、免許申請です。
受験者が自ら申請しなければ、免許証は交付されません。
試験に合格し免許試験合格通知書を受け取った後は、各センターで配布される「免許申請書」を記入し必要書類を添えて、東京労働局免許証発行センターへ申請しましょう。
なお衛生管理者は、一度試験に合格すれば、その後数年ごとの更新手続きなどは必要ありません。

衛生管理者の未選任には罰金50万円以下が科される

対象事業場であるにもかかわらず衛生管理者の選任を怠った場合、労働安全衛生法により50万円以下の罰金が科されます。
先述の通り、選任義務の発生から14日以内に、管轄の労働基準監督署へ届け出ましょう。
たとえ罰金が科されないとしても、法令遵守は企業として当然の行いであるため、未選任が相応しくないことは明確です。
ただ人事労務担当者としては、「義務だから選任する」という思考でとどまらず、衛生管理者の本質を理解し目的や必要性を実感するよう努めましょう。
そのモチベーションは、今後の業務や従業員との向き合い方においても大切となってくるはずです。

先々を見据えて早めの準備を心がけましょう

衛生管理者試験は、各エリアで月に複数回行われており、資格取得のチャンスは少なくありません。
しかし広く深い知識を問われるため、思い立ってすぐに取得できるというものではなく、合格には相応の時間や対策が必要でしょう。
故に、選任義務が生じてからはじめて準備を開始するのでは遅いというのが現実です。
先々の人員計画などを踏まえて、先手の対応を心がけましょう。