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健康経営| 2021.06.02

ワーケーションは健康経営を実現する新しい働き方!メリットや課題を解説

昨今、働き方改革が推進され、従来の常識が覆されています。 ビジネスパーソンには多くの選択肢や可能性が提示される一方で、企業は困難に直面しながらも、実現に向け懸命な取り組みを続けています。 その中で、新たな取り組みとして徐々に浸透しているのが、「働く」と「休む」を融合する「ワーケーション」という働き方です。 今回はワーケーションの仕組みや、導入によって得られるメリットなどについて解説します。

目次

  • ワーケーションとは環境省が推進する新しい働き方
  • ワーケーションは福利厚生の休暇型と業務型の2タイプにわかれる
  • 事例から判明したワーケーションで従業員と企業にもたらされる7つのメリット
  • ワーケーションで企業側が抱えるデメリットや課題
  • ワーケーションは従業員の心身を好転させ健康経営の推進を後押しする

ワーケーションとは環境省が推進する新しい働き方

ワーケーションとは、ワーク(work:仕事)とバケーション(vacation:休暇)を組み合わせた造語です。
オフィスと自宅を往復する日常生活から離れ、観光地や温泉街、リゾート地に身を置き、非日常の環境でリフレッシュしながら仕事に取り組む、新たな働き方として注目を浴びています。

コロナ禍によりワーケーションが急速に浸透

働き方改革の一環として、かねてよりワーケーションを導入する企業はありました。
その中でワーケーションが急速に浸透した最も大きなきっかけは、令和2年の新型コロナウイルスの流行です。
それまで多くのビジネスパーソンは、毎日会社へ出勤するのが当たり前とされてきましたが、感染拡大防止の観点から、政府は大々的にテレワークやワーケーションなどを推し進めました。
また、コロナ禍による観光事業の落ち込みを受けて、観光庁も普及に力を入れています。

ワーケーションとテレワークの違い

ワーケーションとテレワークは、いずれも本来の就業場所を離れ、別の場所で働くことです。
しかし双方には、働く「場所」に違いがあります。
ワーケーションは場所を限定しない働き方を示すのに対し、テレワークはあくまでも会社側が定めた場所に限られます。
たとえばワーケーションの場合、観光地や温泉街、リゾート地、地方の実家や友人の家など、各々が好きな土地で自由に働くスタイルです。
一方テレワークの場合は、自宅での在宅勤務のほかに、自社が設置したサテライトオフィスなど、会社の管轄下の場所に限定されます。

ワーケーションは福利厚生の休暇型と業務型の2タイプにわかれる

ワーケーションは、休暇をメインとする「休暇型」と、仕事をメインとする「業務型」の2つのタイプがあります。
それぞれの特徴を紹介していきます。

休暇型

体験型ワーケーションとは、一般的に福利厚生の一環として有給休暇を活用するもので、休むことをメインとするワーケーションの形です。
休暇の合間に無理なく仕事をこなすというイメージで、心身のリフレッシュに重きを置きます。
各々の自由を尊重する働き方の手法ではあるものの、目的はあくまでも「休暇」にあるため、発生する各種費用は従業員の実費負担となるのが基本です。

業務型

業務型ワーケーションとは休暇型と真逆の考え方で、ベースは仕事にあり、その合間の時間に休暇を味わうというワーケーションスタイルです。
そして業務型は、さらに以下3つのタイプに細分化されています。

・サテライトオフィス型:自社サテライトオフィスやシェアオフィスを活用する
・合宿型:チームメンバーとともにオフィスを離れ、クリエイティブな業務やチームビルディングを行う
・地域課題解決型:ワーケーション先で地域関係者とともに地域課題の解決策を議論する

事例から判明したワーケーションで従業員と企業にもたらされる7つのメリット

ワーケーションは、従業員の自由な働き方を後押しする魅力的な制度ですが、企業視点でも十分にメリットがあります。
今回はとある事例、検証結果を基に、ワーケーションの導入で従業員、企業の双方にもたらされる7つのメリットを紹介します。

仕事とプライベートの区分けが明確になる

ワーケーションを経験すると、仕事とプライベートの切り替えがスムーズとなり、メリハリのある生活が送れるようになります。
ワーケーションは非日常空間に身を置くことから、仕事への集中力を削がれるのではないかと危惧する声もありました。
しかし、「公私を切り分ける志向」を比較すると、ワーケーション実施前より実施後の方が、25%促進されている事実が判明しています。
従業員が気持ちの切り替えをうまく行えるようになれば、より高いパフォーマンスを発揮できることが期待できます。
それに伴い、企業全体の生産性向上も見込めるでしょう。

パフォーマンスが上昇、ワーケーション後も1週間持続

ワーケーション実施前と実施中の従業員のパフォーマンスを数値化、比較したところ、20%以上のアップが認められ、前項を証明する形となりました。
それだけでなく、パフォーマンスの向上は終了後1週間に渡り持続しています。
ワーケーション経験者の存在がトリガーとなり、チーム全体の活性化につながることが期待できるでしょう。

仕事後の時間を心身の回復や成長のために充てられる

仕事とプライベートの区分けが曖昧で混在した状態では、疲れやストレスをリセットしにくく、学びなどの自己投資に時間を使うことは物理的にも精神的にも難しくなります。
しかし、ワーケーションの実施で仕事とプライベートの切り分けを適切に行えるようになれば、心身の回復や、将来に備えた学びの時間を十分に確保できるようになります。
公私を切り分ける志向が育つにつれて、ストレス値の低下も見受けられており、従業員のメンタルヘルスへの好影響は明白です。
企業が従業員の多様な働き方を支援することが、結果的に健康経営促進にも効果を発揮していることがわかります。

自社への帰属意識と生産性の向上

ワーケーションにより、自社への帰属意識や愛着が約12%上昇したことが確認されました。
帰属意識や愛着は、仕事に対する熱意や活力、没頭の度合いを示す「ワークエンゲージメント」に好影響を与えることが判明しています。
ワークエンゲージメントが向上すれば、あらゆる場面でポジティブな思考が反映され、個人やチームの生産性向上を後押しします。
心身の状態も良好に整うため、勤怠状況も正常になるでしょう。

心身のストレス状態は低下、ワーケーション後5日間持続

ワーケーション実施前から実施後にかけて、仕事における心身のストレス値を測定したところ、37%以上の軽減が見られています。
不安感が減り活気が増す結果も示されており、メンタルヘルス不調の改善にも効果的であることが示されています。

歩行数が2倍に増加、生活習慣病予防に効果的

ワーケーション実施前と実施中の運動量を比較したところ、実施中の歩行数が2倍に増加していました。
令和2年より続くコロナ禍により、在宅勤務や自粛生活を強いられているビジネスパーソンも多く、慢性的な運動不足が危惧されています。
運動不足は、動脈硬化を起因とした各種疾患や、高血圧などの生活習慣病を誘発する大きな要因となるため軽視できません。
終了後、歩行数は減少傾向となるものの、ワーケーションは新しい生活習慣の定着に一役買っていると言えるでしょう。

新規人材採用時のアピールポイントになる

ワーケーションの取り組みは、働き方の多様な選択肢を従業員に提供することになります。
そのため、新規人材採用時には求職者へのアピール材料となるでしょう。
終身雇用制が当たり前という時代は終わりを迎え、現代の企業には、従業員の自由な働き方やキャリア形成を支援する柔軟性が求められています。
ワーケーション自体に興味を持つ層からだけでなく、企業の先駆的な取り組みを好む層からの支持も得られることが期待できます。

ワーケーションで企業側が抱えるデメリットや課題

メリットの一方、ワーケーションには企業が乗り越えなければならないデメリットや課題も存在します。
導入にあたっては、あらかじめ対策を行うようにしましょう。

費用負担や業務ルールを明確にする必要がある

ワーケーションにかかる費用に関して、企業と従業員どちらがどこまで負担するのか住み分けを明確にする必要があります。
休暇型の場合は、基本的に従業員の実費負担とするケースが多いですが、なかには通信費など一部に関して企業負担としているケースもあるようです。
そのほかにも、実施中の業務手法については、細かくルール化しなければなりません。
業務範囲や時間、勤怠管理方法をはじめとして、部署により異なる特性を網羅できる内容を定める必要があります。
管理職などの意見を基に、現実的に運用可能な形で取り纏めるようにしましょう。

従業員の勤務状況をリアルタイムで把握しにくい

ワーケーション中は、従業員の勤務状況をリアルタイムで把握することが困難となります。
周囲に同僚や上司の目がないため、自己申告に頼るしかありません。
リアルタイムに近い円滑なコミュニケーションを行うためにも、チャットツールの活用は欠かせないでしょう。
また日々の勤怠管理には、人事管理システムの勤怠管理ツールを活用が適しています。
従業員、企業双方にかかる労力を軽減することで、スムーズで正確なワーケーション運用が実現します。

適切な評価が難しくなる

上司の目が届かないワーケーションにおいては、既存の人事評価システムの適用は妥当性に欠けるでしょう。
そのため、テレワークの運用に即した評価制度を導入する必要があります。
勤怠状況をベースとする方法ではなく、成果物を用いた評価制度が妥当です。
しかし、管理部門など成果物が見えにくい部署の場合、プロセスも重視しなければ他部署との公平性が損なわれてしまうので、その辺りのさじ加減は難しい部分です。
いずれにしても、ワーケーションにおける人事評価プロセスは従業員にオープンにし、従業員に不安や不満を抱かせないよう配慮しましょう。

セキュリティ対策を万全に整える必要がある

自社のネットワーク環境から離れるということは、セキュリティ対策の強化が必須です。
特に、フリーWi-Fiなどの利用によるネットワーク経由の情報漏洩を防止するために、十分な対策を講じなければなりません。
ポケットWi-Fiの貸与や、VPNの導入を検討すべきでしょう。
また、パソコンなどの端末類や紙ベース資料の取り扱いルールも、別途定める必要があります。

ワーケーションは従業員の心身を好転させ健康経営の推進を後押しする

ワーケーションという新たな取り組みは、従業員の精神的、肉体的な健康を促進します。
それは同時に、企業の健康経営促進を加速させる足がかりにもなり得ると言えるでしょう。
ワーケーション制度導入には相応の労力を要すことは否定できません。
しかしその労力を投じてでも、挑戦することで得られるものはあるはずです。
健康経営に取り組んでいるものの思ったように成果が出ない、何か目新しい取り組みを取り入れたいという企業は、ワーケーションの導入を前向きに検討しても良いのではないでしょうか。