健康管理システムで一元化&業務削減を実現!比較ポイントやメリットを解説

健康経営の重要性が叫ばれる中、「いかに従業員の健康管理を効率的に行うか」は、早急に対処したい人事課題です。 この課題の突破口として有効とされるのが、健康管理システムの導入です。 今回は、今後多くの企業で欠かせない存在となる健康管理システムについて、必要性や導入のメリット・デメリットなどを解説していきます。

健康管理システムとは従業員の健康情報を一元化するもの

健康管理システムとは、従業員の心身の健康情報を一元管理し、分析、改善を図るためのものです。
健康診断やストレスチェック結果数値などをデータ化しシステムに取り込むことで、自社の傾向や課題を浮き彫りにし、効果的な措置をピンポイントで行えます。
そして健康管理システムの導入は、人事業務削減への貢献を果たすため、人事担当者は雑務から解放され、本来フォーカスすべき業務へ注力できるようになるでしょう。
なお企業における従業員の健康増進や保持に関しては、厚生労働省が「事業場における労働者の健康保持増進のための指針」を策定しています。
令和2年3月、約30年ぶりに指針が改定され、「従来の労働者「個人」から「集団」への健康保持増進措置の視点を強化」という内容を打ち出しています。
これは、有所見者や健康課題を抱える従業員に限定せず、個人の集まりである集団=企業全体に対するアプローチを行い、改善を目指すことを促すものです。
上記の実現を考えると、従来の手作業による業務フローでは難しいことは明白です。
そのため、健康管理システムにより数値をデータ化し、分析、管理するのが最も効率的と言えます。

健康診断やストレスチェックの義務化でよりニーズが高まっている

企業には、年に1度の定期健康診断が義務付けられています。
健康診断は実施されれば終わりではなく、有所見者には継続的な措置が必要となり、それ以外の従業員に対する健康保持の取り組みも行わなければなりません。
健康診断業務は人事業務の中でも煩雑で、多くの工数を消費してしまいます。
さらに平成27年より、50人以上の事業場では年に1度のストレスチェックも義務化されたことで、メンタルヘルスケア全体の取り組み強化も求められる状況です。
時代の流れによる法改正で、人事担当者の業務は年々圧迫されています。
従来のアナログな業務手法によってヒューマンエラーを招かないためにも、健康管理システム導入検討は急務と言えるでしょう。

新型コロナウイルスの流行により従業員の健康管理も新たな局面に

令和2年の新型コロナウイルスの流行により、多くのビジネスパーソンの働き方は予想しない形で大きく変化しました。
政府によって推し進められたテレワークは、働き方そのものだけでなく、従業員の心身の健康状態にも大きな影響をおよぼしています。
職場が自宅となれば、1日1度も外出しない従業員も多くいるでしょう。
通勤や屋外での運動の機会が失われれば、運動量が減少し、生活習慣病を誘発するリスクが高まります。
それだけでなく、コミュニケーション手法にも必然的に変化が生じ、多くの会議はオンラインで完結するようになりました。
その結果、リモートハララスメントなど、オンラインならではの問題が際立ち始めています。
以上のことを踏まえると、企業における従来の取り組みでは、従業員の心身の健康を守りきれない可能性が考えられます。
従業員に目が行き届かない現状では、今まで以上に入念な一次予防対策を講じなければなりません。
そのため健康管理のシステム化により、自社に最も適した施策を迅速に講じる必要性が高まっています。

健康管理システムで管理できる主な項目

健康管理システムはさまざまな企業から提供されており、それぞれが多彩な機能を備えています。
そのため、健康管理システムの導入目的を明確にし、必要な機能を網羅しているサービスを選択しましょう。
健康管理システム全般が網羅している項目は以下の通りです。

・結果のデータ化
・検索、閲覧
・有所見者のリストアップ
・受診勧奨対応
・面接指導予約
・面接指導結果の記録
・データ分析
・リスク予測
・ソリューション提供
・各種報告書作成
・産業保健スタッフとのデータ共有
・パーソナルデータ記録

企業が健康管理システムの導入で得られるメリット

自社がどのようなメリットを享受できるか認識すれば、健康管理システムの導入効果を最大化しやすくなります。
今一度確認しておきましょう。

健康診断やストレスチェックの結果報告書の作成が簡略化

健康診断実施後には「定期健康診断結果報告書」を、ストレスチェック実施後には「心理的な負担の程度を把握するための検査結果等報告書」を労働基準監督署へ提出しなければなりません。
報告書作成は何気に手間がかかり、人事担当者の手を煩わせる業務のひとつです。
しかし健康管理システムを活用すれば、個人結果を反映させていくだけで報告書が自動作成されるため、人力を消耗する必要はなくなります。

健康情報の一元管理によって業務削減につながる

健康診断結果やストレスチェック結果、長時間労働による産業医面談など、従業員の心身に関するすべてのデータは、健康管理システムに集約、一元管理が可能です。
データや書類があちこちに分散せず、見たい情報にすぐアクセスできるため、余計な作業が発生しません。
Excelファイルのメンテナンスやファイリングなど雑務もなくなり、成果に直結する業務に集中できるようになります。
また、データ種別ごとに閲覧や編集の権限設定も可能なため、高いセキュリティレベルが保たれます。

データ化により分析が可能となり課題が可視化される

健康管理システムは、各社独自の分析機能を備えています。
健康診断結果やストレスチェック結果のデータ化で、瞬時に自社の健康課題が可視化され、早期に的確な対策を講じることが可能です。
有所見者や高ストレス者なども一目瞭然なので、抜け漏れも発生しません。
また健康管理システムによっては、勤怠情報の登録も可能なため、健康情報と紐づけた複合的な管理も実現します。
勤務状況と健康状態の関連性や傾向を探るのにも役立つため、従業員個人への健康指導のみならず、企業全体の健康経営の促進にもなるでしょう。

健康経営のために求められる改善や施策の検討に活用できる

健康経営の促進には、自社の健康課題の適切な把握と、解消する効果的な施策が欠かせません。
健康管理システムは、単に健康診断結果やストレスチェック結果の数値を蓄積するだけでなく、ソリューションまでワンストップのサービス設計が施されています。
そのため、自社だからこそ効果を発揮する独自の施策を打ち出すことができ、成果の獲得まで遠回りせずに済みます。
多様な働き方が浸透した現代において、ビジネスパーソンが企業に求めるものは、お金だけではありません。
健康経営の促進は、既存社員の外部流出防止はもちろんのこと、新規人材採用時に提供できる安心材料とも言えるでしょう。

従業員自身が健康状態を手軽に確認できる

健康管理システム導入のメリットを享受できるのは、企業側だけではありません。
従業員は、健康診断やストレスチェック結果を、スマートフォンからいつでも確認できるようになります。
健康管理システム独自の疾病リスク予測機能により、数字の羅列だけではわかりづらい身体の実態も可視化されるので、健康意識の向上に効果的です。
また、睡眠管理や万歩計機能、カロリー計算機能などを備えている健康管理システムを活用すれば、健康管理が従業員の日常に溶け込みやすくなるため、健康経営の底上げにも有効です。

企業が健康管理システム導入にあたり覚悟すべきデメリット

健康管理システム導入の導入は、メリットばかりではなくデメリットも存在します。
どれもある程度対策できるものなので、以下のことを踏まえて導入を進めていきましょう。

導入準備からスムーズな運用まではそれなりの時間が必要

健康管理システムの導入は、準備から円滑な運用までそれなりの時間を要します。
導入にあたっては、まずシステムに取り込む元データが必要です。
データ整備が日頃から行き届いていれば然程問題はありませんが、そうでない場合は健康管理システム導入のための事前準備に大きく工数を奪われます。
さらに導入後も、すべての人事担当者が操作方法をマスターし機能を標準的に使えるようになるには、月単位での時間を要するでしょう。

コミュニケーションから得られる生の情報が希薄になる

健康管理システムによるデジタル化は、人事担当者の業務削減を実現し、心身の負担を軽減します。
ただ上記のようなメリットを享受できる一方、従来のアナログだからこそ得られていた従業員の生の情報を受け取る機会は少なくなるでしょう。
生の情報とは、対面することでわかる表情や声色、雰囲気、仕草などから得られる健康状態や労働環境などを指します。
人事担当者は便利さを優先するあまり、データのみに依存する業務手法に停滞することのないよう配慮すべきです。
また、日頃からコミュニケーションを積み重ね信頼関係が構築できているからこそ、従業員個人や部門に関するオフレコ情報を得られるチャンスにも恵まれます。
人事業務全般を的確かつ円滑に果たすには、ときには不定形なアプローチも必要です。

イニシャルコストまたはランニングコストがかかる

健康管理システムの導入には、ある程度まとまったコストがかかります。
オンプレミス型は、自社ネットワーク内にシステム構築を行うため買い切りとなり、導入時にまとめて費用を支払う形です。
初期費用は大きくかかりますがカスタマイズが可能なため、自社好みの使い勝手の良い健康管理システムが導入できます。
対してクラウド型は、月単位で利用料金を支払うことで利用できる仕組みです。
そのため、オンプレミス型のように、まとまった初期費用の投資は必要ありません。
利用人数によって1人あたりの単価が変動するケースが多いでしょう。
オンプレミス型はイニシャルコストが、クラウド型はランニングコストが大きくなる特徴を踏まえて、自社に最適な選択を行いましょう。

比較検討やシミュレーションを重ね自社に最適な健康管理システムを選択しましょう

一から健康管理システムを導入するのは、少々ハードルが高いと感じる人事担当者もいるかもしれません。
確かに障害がないとは言い切れませんが、この先の長い未来を考えれば、導入にかかる痛みはほんの僅かでしょう。
さまざまな健康管理システムを比較検討し、自社の健康経営を加速できるような選択ができることをお祈りしています。