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健康管理| 2021.04.23

在宅勤務者への健康管理に関する課題とは?具体的にアプローチしよう

新型コロナウイルスの感染拡大の影響によって、在宅勤務(リモートワーク、テレワーク)が長期化しています。一部の企業ではすでに在宅勤務を「スタンダード」としているところもあり、今後も増加していく見込みです。それによって、在宅勤務ならではの健康課題も生じてきています。 そこで本記事では、在宅勤務者への健康管理に関する概要や課題、具体的なアプローチ方法などについて解説します。

目次

  • 在宅勤務者の健康状況は大きく変化している
  • 在宅勤務者の健康管理に関する3つの課題
  • 在宅勤務者に向けた健康管理の具体的なアプローチ
  • 管理すべき在宅勤務者の健康リスク要因
  • 在宅勤務の健康管理に重要なラインケア
  • 在宅勤務者の健康管理は企業の責務として取り組むべき

在宅勤務者の健康状況は大きく変化している

新たな働き方の選択肢として、在宅勤務を取り入れる企業が多くなりました。時間や場所に制限がない在宅勤務は、個人の生活に合わせて働けるのが特徴です。

一方、これまでにはなかった在宅勤務ならではの健康課題も表れつつあります。課題としてあげられるものは、一つには運動不足、生活リズムの乱れといった身体的なもの、もう一つは、コミュニケーションロスからくるメンタル的なものです。

どちらも健康管理として重要であり、リモートだからこそ、従業員の健康管理をサポートする姿勢が求められます。

ウィズコロナを想定した健康管理を求められる

在宅勤務が主流になりつつある日本において、今後はウィズコロナを想定した健康管理が企業には求められます。新型コロナウイルスの収束後、これまでになかったニューノーマルの生活や働き方が定着するでしょう。

企業としてウィズコロナを想定した従業員の健康管理や労務管理の見直しが急務です。在宅勤務においても、企業は従業員が健康的かつ安心して働けるようにする責務があります。在宅勤務を主とした健康経営の確立が望まれます。

在宅勤務であっても健康管理は使用者の責務

在宅勤務においても企業は従業員の健康を守る責務があります。健康を守るという観点では「労働時間」にも着目するべきです。
時間を気にせず働ける在宅勤務では、知らず知らずの内に長時間労働となる場合もあります。ただし通常勤務、在宅勤務のいずれにおいても守るべき労働時間は同じです。

在宅勤務をする場合の労働時間に対して企業側が負う責務は次の2つになります。

・労働者の労働時間を適正に把握する責務
・労働時間管理を行う責務

在宅勤務における労働時間の詳しい内容ついては、厚生労働省が定める「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」に記載があります。

(参考:労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン)

在宅勤務者の健康管理に関する3つの課題

上記に述べたように、在宅勤務者への健康管理は、企業側、特に人事にとって、とても関心の高い課題になっています。では具体的にどんな難しさがあるのか、代表的なものを3つ紹介します。

不調者の発見や対応が後手になる

在宅勤務は不調者の発見や対応が後手になりやすいのが特徴です。直接的なコミュニケーションの機会が大幅に減る在宅勤務では、不調者を未然に発見しにくい状況といえます。

また発見が遅れる分その対応も後手になり、不調者に気づいたときにはすでに大きな問題となっているケースもあるでしょう。誰しも日常的に何らかのストレスを感じており、それは在宅勤務においても例外ではありません。

原因はさまざまですが、在宅勤務によるストレスを感じる状態が続くと、精神面だけではなく、身体的な健康も阻害される可能性があります。その結果、モチベーションや生産性も低下しかねません。

企業側が介入するべき範囲が曖昧

在宅勤務者の健康管理に関する課題に、企業側として介入するべき範囲が曖昧なことも1つです。在宅勤務においても企業側は健康リスクのある従業員に対しては介入が求められます。

一方、従業員側も健康については自身で管理する責務があります。企業が健康診断やその他の健康に関する施策を求めた場合、それに協力しなければなりません。

ただし在宅勤務下では、仕事とプライベートを区別しにくく、企業がどの範囲まで介入するかが曖昧になりがちです。不調を疑う従業員がいても、本人がそれを否定する場合は介入の判断に迷うかもしれません。

通常勤務下では面談の時間を確保するなどして、早期の対応が取れていても、在宅勤務においては難しい場面も多くあるでしょう。しかし企業側は従業員の健康を守る責務があり、不調を感じた従業員には積極的にコミュニケーションを取るなどの対策が求められます。

従業員の健康は企業側の努力だけでは守れません。従業員の協力や理解があって初めて成り立つものです。企業側は、従業員の健康をサポートする姿勢を見せ、理解を深めたうえで、健康状態の把握などへの協力を求めていく必要があります。

管理ルールの再設計が必要

前述のとおり、在宅勤務者の健康管理は、コロナ禍、在宅勤務、リモートワーク特有の課題、難しさがあり、健康管理に関して、今までとは違ったアプローチが必要です。例えば、以下のような項目の活用の仕方や見直しが考えられます。

・健康診断やストレスチェックの活用
・勤怠に関するルール
・健康管理を支援するツールやアプリの導入
・健康に関する情報管理

在宅勤務となれば仕事の進め方ややり方も変化せざるを得ません。それと同様に、従業員に対する健康管理の内容も刷新する必要があります。管理部門などが中心となり早期の再設計が求められます。

在宅勤務者に向けた健康管理の具体的なアプローチ

在宅勤務者に向けた健康管理の具体的なアプローチにはいくつかの方法があります。効果的な3つのアプローチ方法ついて見ていきましょう。

オンラインによるコミュニケーションの場を設置

まずオンラインによるカウンセリングや相談窓口といったコミュニケーションの場を企業側が設置しましょう。これは手軽に始められる方法の1つです。

在宅勤務者が「仕事の悩みを相談できる人がいない」「電話ではなかなか相談しにくい」といったような問題を抱え込まないための環境を用意します。具体的な施策内容は次のとおりです。

・社内専用SNS
・グループウェア
・Web会議やテレビ会議
・オンラインによる1on1

これらの施策を通じて定期的に雑談できる場を設け、オンラインならではコミュニケーション方法を活用しましょう。

産業医や保健師との面談をオンラインへ切り替え

在宅勤務への対応として産業医や保健師との面談をオンラインへ切り替えることも有効な方法です。体調に関する不安や悩みを自宅に居ながら相談できるため、対面よりも本音を伝えやすいと感じる方も多いかもしれません。

面接の実施は、法律で定められている義務なので、厚労省のマニュアルなどを参照し、適切に対応するようにしましょう。

実施する場合には、社内の衛生委員会内で審議し、従業員には事前周知するなどの配慮が必要となります。

在宅勤務特有の健康情報の発信

在宅勤務者に対して、在宅勤務特有の健康情報に関する発信も有効です。不調となる従業員には自覚症状がないこともあります。また多少の不調を感じていても、様子を見ているケースもあるでしょう。

在宅勤務では他人とのコミュニケーションが減少しやすく、自身の不調に気づきにくいものです。その対策として、在宅勤務特有の健康情報を企業から発信することで、健康状態の異常に気づいてもらえる可能性があります。具体的な発信内容な次のとおりです。

・自宅でできる運動不足の解消法
・鬱によくある症状のリスト
・在宅勤務に効果的な疲労軽減法

在宅勤務者がすぐに使えるホットな健康情報を提供することで、従業員の健康に対する意識が変わります。単発的は発信ではなく、継続的な発信が企業には求められるでしょう。

管理すべき在宅勤務者の健康リスク要因

在宅勤務者に向けて健康管理を促すためにはまず、企業側が管理すべき健康リスクを理解しておく必要があります。ここでは代表的な3つの要因に分けて紹介します。

生活習慣の乱れにより不規則になる睡眠リズム

在宅勤務では生活習慣の乱れから、睡眠リズムが不規則になりがちです。

「運動不足によって寝付きが悪い」「就寝時間が遅くなりがち」など、在宅勤務では睡眠リズムを崩す要因は多くあります。睡眠リズムが崩れると体内時計が狂い、健康面へ悪影響を及ぼすのです。

その対策として、「起床時間や就寝時間を決める」「適正な量の食事を三食とる」「適度な運動をする」などの正しい生活習慣が在宅勤務者にも求められます。

企業側としてすべてを管理するのは現実的ではありません。ただし「仕事の開始や終了時に連絡をもらう」「生活習慣に関する質問をミーティングで行う」などの簡単なことから始めることをおすすめします。

コミュニケーション不足によるストレス

在宅勤務におけるコミュニケーション不足は大きな課題です。
在宅勤務者が単身者の場合、終日誰とも会話することなく1日を終えるケースも少なくありません。Web会議などで最低限の対話があったとしても、対面のような深いコミュニケーションは難しいでしょう。

コミュニケーション不足によるストレスは心身の負担やうつ病の発症の原因にもなり、最悪の場合は離職にも繋がりかねません。

そうなれば、企業にとっても大きな損失が発生するため、在宅勤務者を孤立させないための対策を求められます。心身への異常を判断できる状況を整えていきましょう。

通勤不要も影響する運動不足

在宅勤務は通勤が不要になるため、運動不足が懸念されます。通勤途中にある階段の上り下りや徒歩も1つの運動習慣です。

運動は筋力や心肺機能の維持だけでなく、気分転換の効果もあります。企業側として運動を強制することはできませんが、健康や運動に関する情報を発信するなどの対策は必要です。

また面談などを通じて日々の運動状況を確認するなどの細かなケアが求められます。

在宅勤務の健康管理に重要なラインケア

在宅勤務の健康管理において重要となるのがラインケアです。ラインケアは直属の上司などの管理監督者が部下に行うケアを指します。

近くにいる管理監督者だからこそ気づける小さな変化や異変をキャッチし、それに対する相談対応やケアを行うことが必要です。ここでは在宅勤務の健康管理に必要な3つのラインケアを紹介します。

就業場所に関する情報収集と改善実施

まずは就業場所に関する情報収集と改善実施です。管理監督者は在宅勤務者の就業場所や環境、衛生面などの情報を正確に把握する必要があります。

在宅勤務者が働きやすい環境を用意し、改善することも管理監督者の仕事です。また労働状況に関するヒアリングも行いましょう。

「勤務時間が長くなっていないか」「適切に休憩はとれているか」など在宅勤務による問題が生じていないかを確認してください。役職や担当業務によって質問する内容も変える必要があるでしょう。それぞれの階層における情報収集と改善を管理監督者が実施します。

管理監督者による傾聴の機会

管理監督者による傾聴の機会も重要な対策となります。傾聴とは「耳・目・心」を相手に傾けて真摯に話を聴くコミュニケーションの技法です。

相手との信頼関係を深めるだけでなく、話す本人が自分自身を理解し、精神の安定につながるきっかけにもなります。オンラインによる1on1などを通じて、管理監督者のほうから積極的に傾聴の機会をつくりましょう。

部下の異変に気づくきっかけとなれば、早期に対応可能です。また部下自身も管理監督者に話すことで感情が整理され、ストレスの軽減につながるケースもあります。

ストレスの原因を取り除く

管理監督者が在宅勤務者のストレスの原因を取り除くことも重要です。在宅勤務中の就業場所や環境に不快感があったとしても、従業員自らでは改善できないケースが多々あります。

就業場所だけでなく、仕事道具や周辺環境、待遇などストレスにつながる要素はさまざまです。ここで重要なのは管理監督者がそれに気づき、実際に改善に向けてアクションすることです。

部下のストレス要因を取り除くのは、管理監督者の責務といえます。また自分のために動いてくれた事実に部下が救われる場合もあるでしょう。在宅勤務におけるストレスは労災につながることもあり、慎重に扱うべきです。

在宅勤務者の健康管理は企業の責務として取り組むべき

ここまで在宅勤務者への健康管理に関する概要や課題、具体的なアプローチ方法などについて解説しました。新型コロナウイルスの感染拡大の影響から、これまでの当たり前は通用しない新たな生活様式や勤務体系などが広がりました。

その中で生まれた1つの課題が「在宅勤務者に対する健康管理」です。今後は企業にも在宅勤務者の健康管理に関する対応が求められます。

在宅勤務者に対する健康管理は企業の責務であり、今後はより一般的な業務となるでしょう。