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健康管理| 2021.02.18

社員の健康管理のために何をすべきか?企業の課題と取り組むべき項目

ストレス社会と呼ばれている現代の日本では、企業が積極的に社員の健康管理に取り組む「健康経営」が推進されています。 少子高齢化社会により労働者が不足しているこの世の中において、社員は企業にとって貴重な存在であり、社員一人一人が健康的に働ける環境が求められます。 そこで企業の抱える課題と取り組むべき項目について、詳しく解説しましょう。

目次

  • 社員の健康管理が必要な理由
  • 社員の健康管理で取り組むべき項目
  • 法律で定められた安全配慮義務について
  • 社員の健康管理の課題点
  • コロナ禍の社員の健康管理
  • 社員の健康管理は企業の発展に必要不可欠

社員の健康管理が必要な理由

社員の健康管理がなぜ必要なのか、その理由を考えてみましょう。

企業の業績に好影響が出る

社員が体調不良や病気で仕事ができなくなると、関わる業務が滞ってしまいます。代行の社員を補充することもあるでしょうが、それでも業務自体はスムーズに行きにくくなります。

それが一時的なことであればまだいいですが、担当社員が長期欠勤ということになれば、やはり問題です。しかもそのような社員が多く出れば、一部署の問題にはとどまらず会社全体の業績にも響きかねません。

逆に言えば、社員がみな健康で業務に邁進してくれれば、会社の業績も常に一定以上を維持できます。そういう意味でも企業による社員の健康管理は非常に重要になってくるのです。

法律上の取り決めがある

社員の健康管理をするのは会社の業績を維持するためだけではなく、法律上の義務にもなっています。

2008年に施行された労働契約法によると、「企業は、社員が生命や身体の安全を確保しながら働けるように努めるべき」と明文化されています。

それまでも慣習として企業は社員の健康を考えることになっていましたが、すべての企業がそうだったというわけではありません。しかし労働契約法でしっかりとルールが定められことにより、社員の健康管理が義務化されました。

労働契約法の条項には罰則はありませんが、この法律があるために社員が企業の実施する健康管理に不満があって訴訟を起こした場合に損害賠償命令が下されるケースも多くなっています。

社員の健康管理で取り組むべき項目

では、どのように社員の健康管理に取り組めばいいでしょうか?取り組むべき項目について解説しましょう。

長時間労働を無理に行わせない

社員の勤怠管理を行っている総務担当者などは、業務に偏りがないかチェックできるでしょう。特定の部署だけ長時間労働が続いている、ある社員に残業が非常に多いなどの状況があれば、把握できるはずです。

こういった長時間労働状態を放置しておくと、その部署の人員や社員が健康を害する可能性が出てきます。
それでは社員の健康管理の失敗となるため、担当者は社員への業務の配分と稼働時間を適切に管理しなければいけません。

職場環境を快適に整える

社員が健康的に毎日働けるように職場環境を整える必要があります。温度、湿度、日当たり、風通しなどにも気を使い、快適な環境を維持していかなければいけません。そのためには空調の状態もよく確認し、ブラインドの傷みなどは早く修理するなどの対策が大切となります。

また、社員同士の働くスペースが十分に確保されているかも確認が必要なポイントです。窮屈な環境での作業はストレスがたまり、精神衛生上もよくありません。

福利厚生を実のあるものに

福利厚生を実のあるものにすることで、社員の健康管理が上手にできるようになります。福利厚生には法定福利と法定外福利がありますが、法定福利とは法律で定められたものです。

その内容は事業主が一部負担をする健康保険、厚生年金保険などのほか、雇用保険・労災保険・健康保険・厚生年金保険・介護保険などの社会保険料のほか、業務災害・通勤災害後3日間の休業を補償する労働基準法上の休業補償、児童手当や児童育成事業の財源となる児童手当拠出金などがこれにあたります

一方、法定外福利は企業独自の福利厚生です。各企業がオリジナル色を出せる部分でもあるでしょう。具体的には、社員食堂の設置と健康的なメニューの提供、スポーツイベントやオフィスヨガの開催、カウンセリング体制の充実、傷病手当や傷病休暇、休業補償などの援助があります。それぞれの項目について簡単に紹介しておきましょう。

次に例えば、昨今、目にすることの多い、スポーツイベントやオフィスヨガの開催は、日ごろ運動不足になりがちな社員に体を動かしてもらう絶好の機会になります。個人では「運動しようと思っていても機会がない、腰が重い」といった方々に対し、会社が開催するイベントがきっかけになり、健康への意識が高まったり、仲間ができて継続したりと、良い効果につながる事例も多く、人気の施策となっています。

カウンセリング体制の充実もとても大事です。健康診断では見逃されるような細かいことでもカウンセリングを受けられれば、その場で不調を訴えることもできます。

社員が健康に関して人知れず悩んでいることがあるかもしれないので、相談できるカウンセラーがいると心強いでしょう。傷病手当や傷病休暇、休業補償などの援助は、いざ社員が病気やけがをした場合に役立つ制度です。

いくら企業側が社員の健康管理に気を遣っても、全く病気もけがもしないというわけにはいきません。そのような場合に安心できる制度があることによって、社員も日ごろの業務に励みやすくなります。

法律で定められた安全配慮義務について

企業が社員の健康管理をすることが法律で定められていると書きましたが、正確にはそれを安全配慮義務といいます。その安全配慮義務にどのようなものが含まれるのか見てみましょう。

適正労働条件措置義務

企業は社員が働く労働条件を適切に整える義務がありますが、これが適正労働条件措置義務です。具体的には、労働時間、休憩時間の配分や、休日や休暇の在り方などの条件のこととなります。

昨今、過労死、過重労働による自殺、うつ病などが大きな社会問題になっていますが、社員がこのような状態に陥らないように企業側は最善の努力をしなければいけません。

仮に社員が重労働など気にしないといっても、長い目で見ればそのような社員も肉体的にも精神的疲労を感じるようになり、やがては健康を害することも考えられます。企業側で前もってそのような状態を防止する努力が必要です。

健康管理義務

社員の健康診断やメンタルヘルス対策は企業の義務となっていますが、詳しいルールが労働安全衛生法という法律で定められているのです。まず健康診断については社員を雇ったとき、少なくとも1年に1回の実施義務があります。

もう一つ特定業務従事者健診という義務もあるのです。特定業務従事者とは、危険な作業をする、過酷な環境下で働く、深夜労働に従事する人などのことで、このような社員に対して企業が当該業務への配置替えをする際、または6か月ごとに1度の頻度で健康診断が決められています。

適正労働義務

社員一人一人健康状態は違います。病歴、持病、体調などについてはそれぞれの事情も。その事情に配慮した業務配置をするのが適正労働義務です。

社員の体調が悪かったり持病を抱えたりしているのに、過重な労働を強いられる部署に配置したり無理な作業を強いたりすれば、適正労働義務違反となるでしょう。

また、現在健康な社員であっても、体調を崩すようなことがあれば素早く対処してあげられるように配慮してあげることも適正労働義務の一つといえるかもしれません。

看護・治療義務

企業がどれほど社員の健康管理に気を遣っても、病気になる人やけがをする人は出てきます。そのようなときは、積極的に看護・治療義務を果たさなければいけません。

これは実際に起こった場合だけでなく、その可能性があるというケースでも看護・治療の必要が生じるでしょう。これでどれだけ企業が社員の健康を気遣っているかが判断できます。

社員の健康管理の課題点

社員の健康管理を行う上で課題となるものがあります。企業はその課題点を克服して、より効果のある健康管理を実施しなければいけませんが、どのような課題があるのか見てみましょう。

人的リソースが必要

社員の健康管理を担当するのは人事や総務などの部署ですが、これらの部署で働いている人はほかにも業務を抱えています。その業務もこなしながら社員の健康管理プログラムも運営していくことになるので大変です。

そこで新たな人員リソースを加えて社員の健康管理に当たらせる必要も出てくるのですが、大企業ならいざ知らず中小企業の場合は別の人員を加える余裕がない場合もあります。その場合、いかに十分な健康管理スタッフをそろえるかは大きな課題でしょう。

個人個人の差がある

社員一人一人で健康に対する意識は違い、健康状態も異なります。したがって、企業で社員全員に共通する健康管理プログラムを実施したとしても、結果には個人差があるでしょう。そのためプログラムの効果が思うように出ないことも考えられます。この個人差にどう対処していくかも企業にとっての課題です。

一つの方法として、一人一人の活動や生活習慣をデータで可視化するというのも良いやり方です。そのデータを見ることで個人個人の状況を把握しやすくなり、より踏み込んだ対策が取りやすくなります。

社員任せにすると、病気の早期発見がしにくくなる



健康意識に個人差があるという説明をしましたが、そのために日ごろから健康に意識を向ける社員もいれば、あまり健康には留意しない社員もいます。健康に関心が薄い社員の場合、自分ではあまり積極的な取り組みもしません。

中には医者にも行かないという人もいるでしょう。そのような社員に健康管理を任せておくと、病気の早期発見も遅れ大病になり、離職に至るケースもあります。そうなれば企業にとってもダメージとなるため、いかに早く効率的に企業が社員の健康管理を実施していくかが課題です。

コロナ禍の社員の健康管理

今の時代、社員の健康管理を考えるうえで絶対に外せない項目がコロナ対策です。では、どのようなコロナ対策を講じればいいのか考えてみましょう。

オンラインの積極的な活用を

多くの企業で導入されているリモートワークという形態では、企業が社員の健康管理に入り込みにくいという状況になっています。そのため、病気の早期発見が遅れたり、社員の健康維持プログラムも実施しにくくなったりと、不都合なことも起きやすいでしょう。

そこで積極的に利用したいのがオンラインによるコミュニケーション。社員をオンラインで産業医に面談させる、運動不足解消のためにオンラインでトレーニング動画の配信をするなどの対策を行っている企業も出てきています。在宅勤務では、健康状態の把握や管理が難しいため、リモートワーク前後の健康状態のアンケートの実施や睡眠測定デバイスの活用、オンラインで健康管理ツールを提供するなど遠距離にいても社員の健康状態を把握し、積極的にかかわっていく姿勢が大切となります。

社員の健康管理は企業の発展に必要不可欠

現代においては、健康管理は自分だけで行うものではなく、企業もかかわるべきものとなっています。社員の健康は企業にとっても非常に大事なことであり、企業が発展する上でも必要不可欠な要素です。したがって、企業の業績を維持し、社会的な責任を全うしていくためにも、オンラインの面談や、アンケート、システム化やデータ化など様々なツールやサービスをうまく利用し、効率的に行いましょう。