労働基準監督署への報告義務が課される届出の種類【労働安全衛生法関連】

女性が指示棒とバインダーを持ってプレゼンしているところ

人事労務業務とは、事あるごとに書類の作成、提出が生じ繁雑を極めます。そして中には、労働基準監督署への報告義務が課されている届出もあるため、「ついうっかり忘れてしまった」では済まされないことも。
特に従業員50人以上を抱える事業場は、対応すべき種類がぐっと増えるため、しっかりと把握しておく必要があります。

そこで今回は、人事労務担当者が労働基準監督署へ提出すべき報告書の種類について解説します。

労基署への報告義務がある届出3種類【従業員50人以上】

従業員が常時50人以上在籍する事業場を有する場合、特定の状況について労働基準監督署への報告義務が課されています。適切な報告が行われない場合、50万円以下の罰金が科される可能性があるため、必ず届出を行いましょう。

ここでは、報告書の種類と、労働基準監督署への提出義務が課される状況について挙げていきます。

定期健康診断結果報告書

様式名「定期健康診断結果報告書【様式第6号(第52条関係)】」は、以下のケースで労働基準監督署へ提出する報告書です。

・1年に1度の定期健康診断の実施後
・6ヵ月に1度の特定業務従事者を対象とする健康診断の実施後

各健康診断の実施後、遅延なく事業場を管轄する労働基準監督署へ報告書を届出なければなりません。

なお、定期健康診断と特定業務従事者向けの健康診断は検査項目が類似していることから、特定業務従事者向けの健康診断のうち1回は、定期健康診断として実施、報告する形が実質的な状況です。

心理的な負担の程度を把握するための検査結果等報告書

様式名「心理的な負担の程度を把握するための検査結果等報告書【様式第6号の2】」は、いわゆる「ストレスチェック報告書」と言われるものです。

ストレスチェックは1年以内に1度の実施を義務づけられていることから、報告義務も同様の頻度で課されています。ストレスチェック実施後に遅延なく、事業場を管轄する労働基準監督署へ届け出ます。

総括安全衛生管理者・安全管理者・衛生管理者・産業医選任報告

様式名「総括安全衛生管理者・安全管理者・衛生管理者・産業医選任報告【様式第3号】」はその名の通り、以下4つの役割の選任後や変更時に提出する報告書です。

・総括安全衛生管理者
・安全管理者
・衛生管理者
・産業医

上記選任から14日以内に、事業場を管轄する労働基準監督署へ届け出る必要があります。

労基署への報告義務がある届出10種類【特殊健診実施時】

上記以外にも、労働基準監督署への報告義務が課されている届出は多数あります。その中でも、特殊健康診断に関する届出は種類が多いため、注意が必要です。
該当する健診を実施した際には、漏れなく提出するようにしましょう。

高気圧業務健康診断結果報告書【様式第2号(第40条関係)】

電離放射線健康診断結果報告書【様式第2号(第58条関係)】
 ※令和3年4月1日に様式改正

除染等電離放射線健康診断結果報告書【様式第3号(第24条関係)】

四アルキル鉛健康診断結果報告書【様式第3号(第24条関係)】

特定化学物質健康診断結果報告書【様式第3号(第41条関係)】

石綿健康診断結果報告書【様式第3号(第43条関係)】

鉛健康診断結果報告書【様式第3号(第55条関係)】

有機溶剤等健康診断結果報告書【様式第3号の2(第30条の3関係)】

じん肺健康管理実施状況報告【様式第8号(第37条関係)】

指導勧奨による特殊健康診断結果報告書

令和元年12月より報告書作成のシステム提供がスタート

女性がパソコンを操作しているところ

従来の報告書作成は、紙に手書きするのが一般的でした。しかし令和元年12月より、厚生労働省が「労働安全衛生法関係の届出・申請等帳票印刷に係る入力支援サービス」を開始したことで、インターネット上で各種類の報告書を作成できるようになっています。

労働安全衛生法関係の届出・申請等帳票印刷に係る入力支援サービス

前項で紹介した報告書の中で作成できるのは、以下の5種類です。

・定期健康診断結果報告書
・心理的な負担の程度を把握するための検査結果等報告書
・総括安全衛生管理者・安全管理者・衛生管理者・産業医選任報告
・有機溶剤等健康診断結果報告書
・じん肺健康管理実施状況報告

本サービスはあくまでも報告書作成に特化しており、労働基準監督署への提出は従来通り、郵送や持参にて行う必要があります。
ただ作成したデータをパソコン上に保存できるため、次回以降の報告書作成において工数削減が期待できます。

また、作成担当者が変更になってもスムーズな引き継ぎが可能でしょう。

報告書作成~提出までオンラインで完結する電子申請の活用も可能

総務省が運営する「e-Gov(イーガブ)電子申請」を利用すれば、報告書作成~労働基準監督署への提出まで、すべての工程をオンライン上で完結させることも可能です。

e-Gov電子申請

場所や時間を問わず報告書の作成、届出が行えるため、担当者が担う付随業務の負担が軽減されます。
ただし、電子証明が必要となる手続きの場合は、あらかじめ電子証明書を発行しておく必要があるため注意しましょう。

報告義務を怠らず労基署へ適切な届出を行いましょう

今回取り上げた各種類の報告書は、すべて厚生労働省によって届出が義務づけられているものです。そのため、該当する事業場は漏れなく確実に対応できるよう、あらかじめ準備を整えておきましょう。

また現状は50人未満でも、今後増員を見込んでいる事業場は、余裕を持った準備を心がけましょう。