従業員の高齢化が進む日本!企業が取り組むべき対策や具体的な事例を紹介

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急速に少子高齢化が進んでいる日本では人材不足のほか、主力従業員の高齢化が問題視されています。体力や身体機能が低下している高齢の従業員は、健康リスクが高いため十分注意しなければなりません。職場環境の改善や健康のチェック体制を整えるなど、すぐに対策を講じる必要があります。

この記事では厚生労働省の資料を参考に、高齢の従業員が働きやすい職場づくりのポイントをまとめました。具体的な取り組み事例も交えてわかりやすく解説しています。

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従業員の高齢化が進む日本

まず総務省統計局のデータから、日本の労働者の高齢化について現状を把握しましょう。

65歳以上の就業者数は2004年以降、17年連続で増加しています。2020年における高齢就業者数は906万人と過去最多です。
加えて日本は諸外国に比べ、少子高齢化が急速に進んでいます。労働人口あたりの高齢就業者が増加傾向にあることがわかります。

引用:統計トピックスNo.129 統計からみた我が国の高齢者|総務省統計局

15歳以上の就業者総数あたりの高齢就業者の割合は年々増加しており、2020年には過去最高の13.6%を記録しています。特に農業・林業、不動産業・物品賃貸業、サービス業などで、従業員の高齢化が進んでいます。
若手社員に比べ、身体機能が低下している高齢従業員は、どうしても生産性の低下と健康リスクの問題を抱えています。今後は事故やミスを防ぐ物理的な環境整備だけでなく、従業員のパフォーマンスを高めるための健康投資が必要です。
戦略的な健康経営は組織の活性化を生み、生産性の向上を促してくれます。働きやすい健全な企業風土が確立すれば、従業員の定着化にも貢献してくれるでしょう。

特に地方の企業や小規模事業者は高齢化が深刻

人手不足の影響は、特に地方の企業で顕著にあらわれています。中小企業庁の調査では、人口密度の低い地域ほど高齢従業員の割合が多くなることがわかっています。

引用:2020年版「小規模企業白書」 第2部第3章第2節 女性・高齢者の雇用実態|中小企業庁

さらに従業員の少ない企業ほど、高齢従業員の割合が多くなる調査結果も報告されています。上記のような状況にある企業は、急な体調不良や事故などで高齢従業員が休職した場合、生産性が大幅に低下する恐れがあります。リスクに備え、適切な対策を講じることが大事です。

高齢の従業員が抱える健康リスク

高齢従業員は豊富な知識と経験がある一方で、事故やケガ、そして病気のリスクがあります。近年、60歳以上の労働者による労働災害が増えています。特に製造業や社会福祉施設などは注意しなければいけないでしょう。
さらに、アブセンティーズムやプレゼンティーイズムによるパフォーマンスの低下も課題のひとつです。アブセンティーズムとは、病気やケガなど健康上の理由による欠勤を指します。プレゼンティーイズムは出社しているものの、心身の不調で生産性が低下してしまっている状態です。
いずれも企業にもたらす損失は大きく、組織の成長を妨げてしまう問題です。高齢従業員が長く元気に働ける環境を作ることは、結果的に業績アップにもつながる重要な取り組みといえるでしょう。

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企業がするべき対策6つ

次に、従業員の高齢化が進む企業が行うべき対策についてまとめます。環境対策から体制の改善まで6つ紹介していますので、ぜひ取り入れてみてください。

1. 従業員の意見を聞く場を設ける

まず大事となるのは、高齢従業員の現状を正確に把握することです。定期的な面談や意見をヒアリングできる機会を設け、高齢従業員の話しやすい環境をつくりましょう。相談窓口の設置や、従業員同士が気軽に話せる職場風土づくりも大切です。
ただしヒアリングしただけで終わりにせず、その対策を練るまでがセットとなります。高齢従業員が働くうえで感じている負担やリスクを洗い出し、勤務状況や体制の改善に活かしましょう。
たとえば年齢を重ねるごとに、フルタイム勤務が難しくなってくる場合があります。本人の希望を踏まえながら、体力に見合った働き方を調整してあげるのもひとつの方法です。

2. 職場環境を改善する

高齢従業員が働きやすい環境づくりを意識しましょう。たとえば階段に手すりをつけたり、足元がよく見えるよう照明を明るくしたりなど、ハード面での工夫が必要です。職場の環境を整えることで、労働災害のリスク低減につながります。
一方でソフト面では高齢従業員の体力に合わせて、作業内容を見直しましょう。集中力を必要とする作業や、身体への負担が大きい業務は適度に休憩を挟むよう調整します。個々の従業員の特性に配慮して、業務量を調節してください。
いずれにせよ、高齢従業員の体力や健康状態を詳しく把握することが欠かせません。先ほど解説した定期的な面談や日々のヒアリングのほか、従業員の健康管理が大切になります。

3. 安全衛生教育を徹底する

企業は新しい従業員を迎えたときや作業内容を変更したときに、必ず安全衛生教育を行わなければいけません。事故を起こさないためには、作業内容とそのリスクについて十分に理解してもらう必要があるためです。
特にはじめての業務や、経験の少ない作業をさせるときは、より丁寧な指導や教育訓練を心がけましょう。軽作業や、一見危険のなさそうな作業でも事故につながる可能性は十分あるので、職種や業種に関わらず安全衛生教育を徹底してください。
マニュアルを作成し、運用する方法もひとつの手です。作業マニュアルは文字情報だけでなく、写真や図、映像などを用いるとより理解が深まりやすくなります。

4.高齢従業員が活躍できる場をつくる

身体機能の衰えなどによりこれまで任せていた業務を遂行するのが難しい場合は、経験や知識を活かせる場を提供することも大切です。
たとえば、コミュニケーション能力の高い人には体に負担のかかる作業から、顧客対応など頭を使う業務に配置転換してもよいでしょう。清掃業務や安全点検など、新しい仕事をつくることも検討してみてください。
実際に現場作業をしてもらっていた従業員を、品質検査業務へ配置転換した事例があります。結果的に、ベテラン従業員ならではの経験が活き、不良品のフィードバックが早くなったそうです。生産性の向上にもつながるよい事例といえるでしょう。

5. 評価する制度をつくる

高齢従業員に生き生きと働いてもらうためには、評価制度の見直しも必要です。どんなに仕事にやりがいを持っていても、正しく評価されていないと感じればモチベーションは下がってしまいます。業務成績によって昇給やボーナスを支給したり、勤続年数の長い従業員を表彰したりなど、やる気をアップさせる制度や取り組みが重要です。
実際、経験年数や資格によって新たな役職を与えて、役職手当を支給する制度を創設した企業もあります。評価制度は高齢従業員の意欲につながるものです。ゆくゆくは企業全体の生産性向上にも期待できるでしょう。

6. 高齢従業員の健康管理

定期的な健康診断に加えて、体力チェックや心身の衰えを図るフレイルチェックを実施しましょう。高齢従業員は年齢とともに体力や身体機能の衰えが懸念されるため、企業側で健康状態の把握が欠かせません。結果を踏まえて運動する機会を設けたり、事業所にトレーニング機器を置いたりなど、従業員の健康を維持する取り組みが必要となります。
さらに近年では、コラボヘルスの取り組みも注目されています。コラボヘルスは健康保険組合と企業が連携し、加入者の健康づくりを促進する取り組みです。保険加入者の健康診断データの分析をもとに、企業は健康経営を効率的に進めていきます。プレゼンティーズムやアブセンティーズムの解消にも効果が期待できるでしょう。
しかし健康管理作業は管理するデータが多く、担当者の負担が大きいという課題もあります。効率よく従業員の健康を管理するには、専用の健康管理システムを導入してもよいでしょう。

従業員の健康管理は将来を見据えた投資

今後、日本は少子高齢化の影響で人手不足がますます深刻化し、従業員の高齢化が進むと予想されます。どの企業も今から対策を講じる必要があるといえるでしょう。
高齢従業員の働きやすい環境を作ることは事故のリスクを減らすだけでなく、モチベーションアップにもつながります。自分の経験や知識が生かせる職場であれば、従業員の定着化も進み、生産性の向上にもつながるはずです。
なかでも高齢従業員にとっては健康管理がもっとも重要です。健康管理システムの「WELSA」なら、健康診断結果やストレスチェック結果などあらゆるデータを収集し、分析することができます。効率よく従業員の健康管理を進めたい企業はぜひ注目してみてください。

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