メンタルヘルス不調の3つの予防策とは?一次予防の重要性と取り組み方

健康経営が重視されている企業にとって、メンタルヘルス対策は欠かせません。しかし、「どうしてメンタルヘルス対策が重要なのか」「どのようにメンタルヘルス対策を行うべきか」などの疑問を抱いている人事担当者もいることでしょう。
今回の記事では、メンタルヘルス不調を予防する重要性と、メンタルヘルス対策の具体的な取り組みについて解説します。対策方法を正しく理解して、従業員のメンタルヘルス不調予防に努めましょう。

メンタルヘルス対策の重要性

コロナ禍や世界情勢の悪化により、近年メンタルヘルス不調者は増加しています。2021年度の精神障害における労災補償請求件数は2,346件で、前年度の2,051件から295件と1割以上も増加しました。このような背景から、メンタルヘルス対策の重要性は年々高まってきています。

参考:(厚生労働省「令和3年「過労死等の労災補償状況」を公表します」)

そもそも「メンタルヘルス不調」には、うつ病や適応障害をはじめとした精神疾患にくわえ、心身の健康や生活の質に影響を与える可能性があるストレスや強い悩みといった精神状態も含まれています。
メンタルヘルス不調は脳の機能を低下させるため、集中力や判断力、意欲も低下します。また、ストレスや不安を抱えた結果、休職・退職に追い込まれてしまう可能性もあります。休職者・退職者が増えれば労働力が下がるので、企業全体の業績低下および労働力不足による生産性の低下にもつながってしまうでしょう。
メンタルヘルス不調はさまざまなリスクを引き起こすため、企業にとっても大きな負担になります。このようなリスクを回避するためにも、メンタルヘルス対策を徹底して従業員のメンタルヘルスケアを行うことが重要なのです。

メンタルヘルス対策における3段階の予防

メンタルヘルス対策の基本的な考え方として「3つの段階」があります。3段階の予防を理解することは、適切なメンタルヘルス対策を行ううえで非常に重要です。ここでは3つの予防である一次予防・二次予防・三次予防について解説していきます。

一次予防(未然防止)

一次予防は、ストレスを発生させない職場を作り、メンタルヘルス不調を未然に防ぐ取り組みです。従業員のストレス状態にくわえ、仕事量・質や人間関係などのストレス要因となりそうな職場環境による問題点を把握して、必要に応じて改善していきます。

二次予防(早期発見と早期対処)

二次予防とは、メンタルヘルス不調を起こしている従業員に対する取り組みで、早期発見・早期対処が目的とされています。メンタルヘルス不調に気付いた従業員本人や上司・同僚が適切に対応できるよう、正しい知識の提供、健康診断の実施、社内外の相談窓口の設置を行います。
また、不調の把握や病気・休業の判断を行ううえで、産業医や保健スタッフ、医師との連携も欠かせません。適切な早期対応を行うために、日頃から産業医等と連携できる体制を整えておきましょう。

三次予防(職場復帰支援)

三次予防とは、メンタルヘルス不調を起こしてしまった従業員が職場復帰できるように支援すると同時に、メンタルヘルス不調の再発・再燃を防止する取り組みです。具体的には、治療により休職中の従業員の精神面におけるフォロー、リハビリ出勤をはじめとした職場復帰支援プログラムの実施などを行います。
休職した従業員は、職場復帰への不安や焦りを感じている傾向にあります。復帰を焦り、メンタルヘルス不調を再発して再び休職・退職するといったリスクも大いにあります。そのため、復職の判断は現場だけでなく産業医や医師の見解を踏まえて、本人と相談しながら決めていきましょう。

メンタルヘルス対策における一次予防の重要性

一次予防、二次予防、三次予防の3つの予防段階があるメンタルヘルス対策ですが、中でも「一次予防」は中長期的なメンタルヘルス不調の予防において非常に重要です。なぜなら、一次予防を徹底することで休職や退職、自殺、訴訟といったさまざまなトラブル・リスクを回避できるからです。
また、企業のリスク管理だけでなく、従業員の健康状態が保たれることによって生産性の向上、業績アップも期待できるでしょう。健康経営を実現できている企業としてホワイトなイメージもつきますから、企業としては一次予防に取り組むことでたくさんのメリットを得られるのです。
ストレス要因を根幹から絶っていくためには、「4つのケア」を計画的に行うことも重要です。「4つのケア」とは「セルフケア」「ラインによるケア」「事業場内産業保健スタッフ等によるケア」「事業場外資源によるケア」を指します。
【セルフケア】
管理監督者を含む従業員が、自分自身でメンタルヘルスケアを行うことです。
【ラインケア】
管理監督者が行うケアを指します。従業員からの相談に応えるだけでなく、従業員の日々の健康状態に意識を向け、「いつもと違う」と感じる様子があれば声をかけてケアを行いましょう。
【事業場内産業保健スタッフ等によるケア】
産業医や産業保健師等が行うケアです。セルフケアとラインケアがスムーズかつ効果的に行えるよう支援していきます。
【事業場外資源によるケア】
社外の専門機関(病院、クリニック、地域保健機関、EAP(従業員支援プログラム)など)による相談やカウンセリングのことを指します。
これらの4つのケアを計画的に実施して、一次予防の取り組みに努めましょう。

メンタルヘルス対策における一次予防の具体的な取り組み

一次予防を効果的な取り組みとするためには、4つのケアに加えてさまざまな施策を行うことが重要です。ここでは、メンタルヘルス対策における一次予防の具体的な取り組みを解説します。

ストレスチェックの活用

ストレスチェック制度は一次予防段階において非常に重要な取り組みです。ストレスチェックを実施することで、従業員が自身のストレスを自覚して、セルフケアを徹底しながらメンタルヘルス不調を未然に防ぐことを目的としています。
また、ストレスチェックの結果を活用して、高ストレス者の発見に役立てましょう。検査実施後は、高ストレス者への面接指導や集団分析を行い、高ストレス者のケアを行います。従業員のストレス状況が悪化しないよう適切かつ速やかに対応することが大切です。

管理監督者研修

適切なラインケアを実施するために、管理監督者研修を行うことも一次予防における重要な取り組みです。研修は一度きりではなく定期的に実施することで、管理監督者のラインケアへの意識定着・向上が期待できます。
また、ストレスチェック評価からの集団分析結果レビューを行うことも効果的な取り組みといえるでしょう。集団分析を行えば、部署ごとのストレス状況を把握できるようになります。結果をもとに課題の抽出や対策検討を行い、部下への適切なケアとフォローを遂行していきましょう。

職場環境の改善

ストレス要因を把握して職場環境の改善に努めることは、従業員の心身の健康維持・向上をはかるためには欠かせない取り組みです。
具体的な施策としては、テレワーク導入やフレックスタイム制度といった勤務形態・勤務時間の柔軟な対応、騒音・照明・温度などの環境改善が挙げられます。従業員一人ひとりが働きやすい労働環境を整備することで、ストレスなく働ける従業員が増えるでしょう。また、長時間労働を行っている従業員がいれば、仕事量や業務内容の調整も適宜行う必要があります。

ハラスメント窓口の設置

ハラスメント窓口の設置は、ハラスメント問題の実態把握のために早急に行うべき取り組みです。実際にハラスメントが行われている場合、該当従業員のケアとともに人材配置の変更を検討・実施する必要があります。職場の対人関係によってストレスを抱える人は少なくないので、休職や退職、さらには自殺といった重大なリスクを回避するためにも、速やかに取り組みましょう。

メンタルヘルス不調の予防には継続的なチェックとフォローが大切

メンタルヘルス不調を予防するためには、セルフケアとラインケアを徹底し、早期発見・早期対処することが非常に重要です。一次予防の取り組みとして、ストレスチェックの定期的な実施や、高ストレス者を発見した場合のフォローアップは継続的に行っていきましょう。
また、メンタルヘルス不調が原因となって身体的な不調が現れるケースも少なくありません。従業員の健康状態を継続的に把握し、速やかに対応を行うためにも健康管理システムの導入がおすすめです。
健康管理システム「WELSA」なら、ストレスチェックだけでなく健康診断結果のデータも一元管理できるため、健康状態を可視化して健康リスクの分析・予測が可能です。メンタルヘルス対策を効果的に実施する手助けとなりますので、ぜひ「WELSA」の導入を検討してみてください。

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