メンタル不調者への対応におけるポイント・注意点について解説

コロナ禍以降、職場や仕事でストレスを感じている人は増加しています。メンタル不調は適切かつ早急な対応が求められるため、どのように対応すべきか悩んでいる方も多いでしょう。
この記事では「メンタル不調者への対応」について、取り組みのポイントや注意点をご紹介します。どのように対応すべきかを理解して、メンタル不調者のケアとストレス要因のない職場づくりに努めましょう。

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メンタル不調者への接し方に関する悩み

メンタル不調にはうつ病をはじめとした精神疾患だけでなく、ストレスや強い不安といった名前のない精神状態も含まれます。誰もがメンタル不調に陥る可能性があると同時に、安易な対応を取ったり対応が遅れたりすると重症化してしまうおそれがあるため、適切かつ速やかな対応が求められます。
また、会社には労働契約法により「安全配慮義務」があります。安全配慮義務とは、従業員が安全に働けるように配慮することです。そのため、メンタル不調者に対する対応が不適切だった場合は安全配慮義務違反にあたり、会社に損害賠償責任を問われるおそれがあります。
このような理由からも、メンタル不調者への適切な対応はは非常に大きなテーマといえるでしょう。

メンタル不調の主な原因

メンタル不調の原因は人によってさまざまです。
たとえば職場に関することでは次のような点がきっかけとして挙げられます。
 ・配置転換や昇格などによる、仕事内容や役割の変化
 ・仕事量や質の変化による長時間労働
 ・ハラスメント、いじめや嫌がらせといった人間関係のトラブル
 ・大きなミスや失敗をした場合  など
また職場以外が原因となる場合もあります。
 ・金銭トラブル
 ・家族や友人との人間関係のトラブル
 ・生活面での変化 など
プライベートに起因するメンタル不調の場合でも、職場環境や仕事内容によって症状をさらに悪化させてしまうリスクがあるため、速やかなケアと対策が必要です。

メンタルヘルスケアで重要な4つのケア

メンタルヘルスケアの基本的な考え方として「4つのケア」があります。適切なメンタルヘルス対策には、「4つのケア」を継続的かつ計画的に実施することが大切です。

セルフケア

セルフケアとは、従業員本人が自身のストレスを把握して、メンタルヘルスケアに取り組むことです。セルフケアは管理監督者を含む従業員全員が対象となります。従業員自身がストレスに気付いて適切な対応ができるように、情報提供や研修を行ってサポートしましょう。

ラインによるケア

ラインによるケアとは管理監督者が行うケアで、職場のストレス状況を把握して改善することを指します。部下の様子を日頃から観察して、「いつもと違う」ことに気付くことが重要です。また、部下の相談に乗ったり職場改善に努めたりすることも大切な取り組みといえます。

事業場内産業保健スタッフ等によるケア

事業場内産業保健スタッフなどによるケアとは、産業医や保健師が行うケアです。高ストレス者との面談を行い、課題に向けた取り組みを行います。また、メンタルヘルス対策のための社内研修を企画・実施することも大切です。セルフケアやラインケアをスムーズに行うためには、産業医や保健師との連携が重要といえるでしょう。

事業場外資源によるケア

事業場外資源によるケアとは、外部の相談窓口や専門的知識を有する機関・サービスを活用することです。「社内の人間には相談したくない」という従業員のケアや、社内で抱えているメンタルヘルスの問題を、専門知識を有する外部の機関・サービスの支援によって解決したい場合に有効です。

メンタルヘルス対応の流れ

メンタル不調者が出たときに慌てることなく適切に対応するために、メンタルヘルス対応の流れを把握しておく必要があります。主な流れは以下の通りです。具体的な対応のポイントは次の章で解説します。
 1. 従業員が自身のメンタル不調を把握する
 2. 管理監督者の声かけや従業員からの相談によって産業医との面談・医療機関への受診を開始
 3. 本人の希望や主治医・産業医等の意見を踏まえ、会社が休職を判断
 4. 休職者が療養により心身的に回復してくる
 5. 休職者から職場復帰の申し出がある
 6. 主治医の診断書と産業医の意見をもとに会社が復職を判断
 7. 職場復帰支援プログラムを実施して復職
 8. 復職後も再発・再燃を防ぐためにフォローアップを行う

<H2>メンタル不調者への対応のポイント

では、メンタル不調者への対応を適切に行うためにはどのようなポイントを意識すれば良いのでしょうか。段階に応じたメンタル不調者への対応方法と注意点について解説していきます。

就労中のメンタル不調者への対応

メンタル不調を起こしている従業員を早期発見した場合は、速やかに声かけを行うことが大切です。しかし、声のかけ方を間違えるとメンタル不調者にプレッシャーや不安を与えてしまうため、注意しなければなりません。「疲れているみたいだけど、何かあった?」「仕事が大変そうだけど、手伝えることはある?」といった、寄り添うような声かけを行うのが良いでしょう。
また声かけと合わせて傾聴も重要です。相手の話にしっかり耳を傾けて、相手の気持ちや考えを否定せずに最後まで受け入れる共感の姿勢を持つことが必要となります。「こうするのはどう?」と提案したり、「他の人はこうしている」と他人と比較したりしてはいけません。メンタル不調者に寄り添い、あくまで理解に徹することが大切です。
仕事に対する前向きな姿勢が見られるようであれば、職場環境の改善や配置転換の検討を行うなどして、しばらく経過を見ても良いでしょう。併せて産業医と連携を取りながらこまめな連絡、面談の実施といった取り組みを行います。
また、自社に休職制度があるかどうかを確認したうえで、必要に応じて休職の手続きを取ります。メンタル不調者が安心して休職できるように、休職期間や休職中の連絡方法、相談先、各種手当など必要な支援情報を伝えましょう。

休職中のメンタル不調者への対応

休職中のメンタル不調者に対しても、継続的なフォローが必要です。しかし、休職中は心身の回復に向けてしっかり療養することが重要ですから、必要以上に連絡を取ってプレッシャーや負担を与えてはいけません。
連絡の頻度は月1回程度を目安に、必要なタイミングで行います。たとえば社会保険料の引き落としや病院受診など、動きがあるタイミングで連絡を取るのが良いでしょう。連絡のタイミングは事前に伝えておくことが大切です。また、連絡の手段は電話だけに限らず、メールやオンラインツールなどメンタル不調者が連絡を取りやすい方法で行うようにします。
併せて、休職中の制限事項や禁止事項といった会社のルールも伝えなければなりません。心身が回復してくると、以前のように日常生活を送れるようになってくる場合があります。元気になったからといって休職中に旅行やイベントに出かけてしまい、その様子が他の従業員に伝わってしまうと、他の従業員が休職者に対して不満を抱くのは必然といえるでしょう。
メンタル不調者への対応は、メンタル不調者本人だけでなく他の従業員へのケアも重要です。そのため、「休職の目的」をしっかりとメンタル不調者に共有して、職場復帰に向けて治療に専念してもらうことを伝えるとともに理解を得る必要があります。

職場復帰に向けた対応

症状が回復してきたら、職場復帰に向けた対応をしていくフェーズに入ります。休職をしている従業員は、不安や焦りから復職を急ごうとするケースがあります。復職のタイミングを間違えると、症状を再発して再び休職してしまうといったリスクにつながります。そのため、休職者本人が復職を希望した場合、主治医や産業医等と連携を取りながら復職の可否を判断することが重要です。
職場復帰に向けた対応として、リハビリ出勤制度の活用や職場復帰支援プログラムの作成が挙げられます。

・リハビリ出勤制度

本格的な職場復帰に向けて試験的に出勤する制度です。リハビリ出勤制度の目的は、復職の可否を判断する材料とすることやメンタル不調者本人の職場復帰に対する不安を緩和することにあります。いきなり休職前と同様の仕事内容・仕事量を任せるのではなく、従業員の健康状態に応じて時短勤務や業務の調整を行いましょう。

職場復帰支援プログラム

職場復帰の支援をスムーズに行うために関係者の役割や活動内容をルール化したものです。職場復帰支援プログラムに則って対応を進めていきながら、従業員の回復状況や勤務状況に応じてプログラムの見直し・実施をはかることが大切です。

また、復帰後も病状の再発を防ぐために産業医等と連携を取りながら、継続的にフォローアップしていきましょう。

メンタル不調者への対応には早期発見と継続フォローが重要

メンタル不調者への対応で重要なのは、早期発見および早期対応と継続的なフォローです。特にストレスチェックの実施はメンタル不調者の早期発見に役立ちます。より正確に職場環境の把握を行うには、従来の57問式のストレスチェックから、ハラスメントやワーク・エンゲージメントが加わった80問式に変えるのもポイントです。
ストレスチェックの結果をもとに保健師や産業医等と情報連携を行いながら、継続的に従業員の健康状態を把握・分析していきましょう。そして、継続的なメンタル不調者への対応に役立つのが健康管理システム「WELSA」です。
「WELSA」はストレスチェックを57問・80問の2つから選択可能です。従業員の健康状態を継続的にチェックできるため、メンタル不調者の早期発見も容易になります。また一元管理されたデータから、直感的かつ詳細に健康リスク分析・予測ができます。産業医面談記録なども従業員ごとに一元化されるため、個別フォローにも非常に有用です。メンタル不調者への対応に対する不安を解消したいとお考えであれば、ぜひ「WELSA」を活用してみてください。

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