メンタル不調の5つのサイン|早期発見の重要性と対応のポイント

従業員のメンタルヘルスケアを行うことは、企業の生産性や業績を維持・向上するために重要とされています。しかしながら、メンタルの不調は周囲が気付きにくく、早期発見が難しいのが特徴です。そのため、メンタルヘルス対策が遅れてしまうケースも考えられるでしょう。
今回の記事では、「メンタル不調のサイン」について解説します。サインを見抜くことができれば、メンタル不調の早期発見・早期対処が可能となり、休職や退職のリスクを防ぐことができます。

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メンタル不調者増加の背景と早期発見の重要性

2021年度の労働安全衛生調査では、53.3%と半数以上の労働者が仕事や職業生活に対して強いストレスを感じています。コロナ禍以降、働き方や日々の生活に大きな変化が生じた人は多く、この点も寄与していると考えられます。

参考:(厚生労働省「令和3年 労働安全衛生調査(実態調査)」)

また、コロナ禍における働き方改革とともに推進されたテレワークによって、健康状態に影響が出ている人も増えています。20代~50代のテレワークをしている男女を対象とした調査では、テレワークによって不調を感じた人の割合は31.0%、うち精神的なストレスを感じた人の割合は61.3%に及びました。

参考:(経済産業省「健康経営の推進について」)

このように、新型コロナウイルスやテレワークといったさまざまな環境の変化によってメンタル不調者は増加傾向にあります。メンタル不調が重症化してしまうと仕事が続けられなくなり、復帰するまでに長期的な休養が必要になるでしょう。結果的に、メンタル不調者の休職や退職につながってしまいます。
また、メンタル不調は企業にとってもさまざまなリスクを引き起こします。メンタル不調によって集中力や意欲が低下して仕事の質・スピードが落ちるとともに、休職者や退職者が出ることで他の従業員に負担がかかってしまいます。よって、企業全体の生産性低下や業績低下を招いてしまうリスクにつながるのです。
こうしたリスクを未然に防止するためにも、メンタル不調者の早期発見・早期対応が重要とされています。

メンタル不調の原因と高リスク者の傾向

メンタル不調者が増加しやすい社会的背景があることがわかりました。では、実際に何が原因でメンタル不調に陥るのかを見ていきましょう。
2021年度の労働安全衛生調査では、職場で感じるストレスの要因は「仕事の量」が43.2%と最も多く、他には「仕事の失敗、責任の発生」が33.7%、「仕事の質」が33.6%、「対人関係」が25.7%でした。長時間労働やハラスメント、人間関係が原因で強いストレスを感じている人が非常に多く、メンタル不調に陥りやすくなっています。

参考:(厚生労働省「令和3年 労働安全衛生調査(実態調査)」)

また、以下のような方はメンタル不調に陥りやすい「高リスク者」の傾向があります。
 ・仕事量が多く長時間労働が続いている
 ・相談できる人が周囲にほとんどいない
 ・仕事に励んでいるものの成果が出ない、または評価してもらえない
 ・最近、仕事でミスをした
 ・最近、職場での人材配置や仕事内容に変更があった
 ・ハラスメントを受けている
メンタル不調者を早期発見するためにも、常日頃から従業員の労働環境やストレス状態をしっかり把握することが大切です。

メンタル不調の5つのサインと初期症状

メンタル不調者の早期発見には、サインを見逃さないことが重要です。テレワークなどによって従業員のメンタル不調に気付くことが難しい場合でも、サインに注意すれば早期発見が可能となります。ここでは、注意すべきサインと初期症状について解説していきます。

勤怠の乱れ

遅刻や早退、突然の欠勤や無断欠勤が増えるといった勤怠の乱れは、メンタル不調のサインです。
最初は5分や10分程度の遅刻を繰り返しますが、次第に30分、1時間と大幅に遅刻するようになります。また、突然の欠勤や有給休暇の取得、無断欠勤などが増えた場合もメンタル不調のサインと捉えましょう。
出社の必要がない従業員の場合、テレワークにも関わらず勤怠が乱れるようであれば、メンタル不調を起こしている可能性が高いといえます。日頃から勤怠管理を行い、勤怠の乱れが見られる従業員がいれば注意を払っておきましょう。

パフォーマンスの低下

これまで普通にできていたことができなくなるのは、メンタル不調の初期症状です。
仕事に集中できない・操作ミスや判断ミスが増える・業務量は変わっていないのに残業が増える・レスポンスが遅くなるといったパフォーマンスの低下は、いずれもメンタル不調のサインといえるでしょう。
特に、簡単な業務でも時間がかかったりミスが増えたりした場合は要注意です。あまりにも仕事の効率が悪くなり、ミスが目立つようであれば、まずは声をかけて様子をうかがってみてください。

体調面の変化

メンタル不調は体調面にも影響を与えます。具体的には睡眠不足で仕事中もぼーっとしている・食欲不振で食事を取らない(残す)・アルコールやタバコの量が増えている・風邪をひきやすくなったといった変化が挙げられます。
連日このような状態が続いている、もしくは増えているようであれば、メンタル不調のサインかもしれません。別の病気の可能性もありますが、いずれにしても早期の対応が必要です。

外見・表情の変化

メンタル不調によって外見や表情にも変化が現れます。急に身だしなみが乱れるようになった・清潔感がなくなった・顔色が暗いことが多い・うつむいていることが多いといった変化があれば、メンタル不調の可能性が高いです。
メンタル不調に陥ると、自分自身の身なりに気を使えなくなってしまう傾向があります。テレワークの場合は外見や表情の変化に気付くことは難しいですが、ビデオ通話やオンライン会議を通じて画面越しに違和感があった場合は要注意です。

言動・態度の変化

言動や態度にも変化が現れたら、メンタル不調の可能性があります。挨拶をしなくなった・マナーが悪くなった・突然泣くことがある・独り言が増えた・不満や被害的なことを口にすることが増えたなどの変化は、メンタル不調のサインです。
もしくは、いつも通りを装っているものの無理をしているケースもあります。こうした些細な変化も見逃さないよう、従業員の健康状態をこまめにチェックしておくことが大切といえるでしょう。

メンタル不調者の早期発見のための取り組み

メンタル不調のサインに気付いたら早急な対処が必要となります。対応方法としては、何が原因でメンタル不調に陥ったのかを把握するために、メンタル不調者本人から話を傾聴することが大切です。自分1人での対処が難しければ、産業医と連携しながらどのように対応するべきか相談してみても良いでしょう。
また、企業リスクの重症化を防ぐための取り組みとして、新たなメンタル不調者の未然予防・早期発見に努める必要があります。そのためには従業員がメンタル不調に陥った原因を追求し、職場にストレス要因があるのであれば排除しなければなりません。
その背景には、過重労働が発生しやすいといった職場の環境が大きく影響している可能性もあります。長時間労働の是正や職場環境の改善を行うとともに、面談を定期的に設けるといった従業員のメンタルケアが欠かせません。メンタル不調を未然に防ぐためには、従業員の勤務状態や健康状態を継続的にチェックしながら、ストレス要因のない職場づくりを徹底することが大切です。

メンタル不調のサインにすぐ気付いて早期対処するために

メンタル不調を早期発見・早期対処するためには、メンタル不調のサインにすぐ気付ける職場環境と仕組みを整える必要があります。従業員の健康状態を継続的に把握するには、健康管理システムの活用がおすすめです。
また、メンタル不調の確認にはストレスチェックの結果も重要ですが、身体的な不具合としてサインが出てくる場合もあります。健康診断結果も合わせて確認することで、より課題が見つかりやすくなります。
健康管理システム「WELSA」は、ストレスチェックや健康診断のデータを一元管理して従業員の健康状態を可視化します。健康課題の発見が容易となるだけでなく、健康リスクの予測・分析も可能です。メンタル不調の早期発見や全社的な健康管理の仕組み化をサポートする健康管理システムの導入をお考えであれば、ぜひ「WELSA」を検討してみてください。

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