健康管理業務効率化のポイントとは？業務内容別に詳しく解説
従業員の心身の健康状態を維持できる職場づくりを整備することは、企業にとって多くのメリットをもたらします。従業員の健康管理が重要視されている昨今、適切かつ速やかな職場環境を構築するためには、効率よく健康管理業務に取り組むことが大切です。
この記事では「健康管理業務の効率化」について、ポイントに沿って解説します。健康管理業務を効率化することで、人事担当者や保健師の業務負担が軽くなり、企業の成長や利益にもつながるのではないでしょうか。
現代社会における健康管理業務の重要性
健康管理業務とは、健康診断やストレスチェックの実施、必要に応じた面接指導や健康相談を指します。これらは従業員が心身の健康状態を維持・向上できるように、快適な職場づくりと健康推進を行うことを目的として行われます。労働契約法5条によって企業には「安全配慮義務」が定められており、従業員の安全と健康も配慮した環境を用意することは企業の義務でもあるのです。
新型コロナウイルスが流行したことにより、社会情勢や働き方が大きく変化しました。コロナ禍におけるさまざまな変化によって健康状態が悪化した人は増加傾向にあります。こうした社会的背景からも、従業員の健康管理の重要性は非常に高まっています。
しかし、健康管理業務は煩雑で非効率的な業務が多く、人事労務担当者や保健師に膨大な負担や手間がかかってしまう点が課題です。健康管理業務を怠れば、従業員の生産性が低下し、企業全体の士気の低下や業績の悪化を招いてしまう懸念があります。企業の成長と利益追求を実現するためにも、健康管理業務を正しく速やかに遂行することが重要です。
健康管理業務の具体的な内容と効率化のポイント
健康管理業務にはどのような取り組みがあるのでしょうか。具体的な業務内容と、業務効率化のポイントを解説していきます。
ストレスチェック
ストレスチェックは、50人以上の従業員がいる企業で年1回の実施が義務付けられています。実施の目的は、従業員が自身のストレス状態を把握してセルフケアを行い、メンタルヘルス不調を未然予防することにあります。ストレスチェックの結果をもとに、必要に応じて業務内容・業務量の調整や職場環境の改善に取り組むことが大切です。
しかし、ストレスチェックは未実施者への働きかけや結果の回収・整理など、煩雑で手間のかかる業務が多い取り組みでもあります。対象者を簡単に抽出でき、自動・一括での連絡を行うことができれば業務効率は大きく改善します。またストレスチェック結果のデータ化やレポート作成なども自動で行ってくれる環境があれば、更に業務を削減することができます。
【業務効率化のポイント】
・未受検者抽出とリマインドの自動化
・ストレスチェック結果のデータ化
・データを用いた組織診断レポート作成の自動化
健康診断
労働安全衛生法によって、企業では健康診断を実施することが義務付けられています。健康診断には「一般健康診断」と「特殊健康診断」の2種類があります。一般健康診断は、業種や職種に関係なくすべての企業で行われる健康診断です。特殊健康診断は、有害業務や危険業務に従事する従業員が実施する健康診断です。実施しない場合は、50万円以下の罰金が科せられる可能性があります。
健康診断にかかわる業務は、予約業務をはじめ、未受診者への働きかけや結果の回収・保存、事後措置といった手間がかかり対応に追われやすくなります。これらの煩雑な業務を効率化するためのポイントは、各事業所の健診予約状況や受診率の一覧化・未受診者の抽出とリマインドの自動化・健診結果のデータ化です。完結までのフローが多い業務ゆえに、各フェーズの進捗状況をすぐ確認できるようにすることが、効率化のコツといえるでしょう。
【業務効率化のポイント】
・健診予約状況や受診率の一覧化
・未受診者の抽出と働きかけの自動化
・健診結果のデータ化
労基署への報告
ストレスチェックと健康診断の結果は労働基準監督署への報告が義務付けられています。報告書を作成するにあたり、高リスク者の把握と抽出を行う必要があり、健康診断結果をしっかり整理しておかなければなりません。業務を効率化するためには、健康診断結果をデータ化した上で集計・管理しやすい状態に整理しておくことが大切です。
【業務効率化のポイント】
・ストレスチェックと健康診断結果のデータ化
・データの一元管理
・必要項目のデータ集計の自動化
リスクが顕在化した従業員への対応
ストレスチェックや健康診断は、実施後の事後措置が重要です。安全配慮義務の観点から、リスクが顕在化した従業員がいる場合は早急に対応しなければなりません。高リスク者に対しては、必要に応じて配置転換や業務量の調整、産業医との面談といった対応を行っていきます。
業務効率化のポイントとしては、再受診勧奨メールの自動化・産業医面談の予約案内と調整・産業医等とのスムーズな情報共有が挙げられます。従業員が自身の健康リスクを把握してセルフケアに努めるよう促すことが、長期的な健康管理を行ううえでの業務効率化のコツといえるでしょう。
【業務効率化のポイント】
・再受診勧奨メールの自動化
・産業医面談の予約案内および調整
・データ一元化におけるスムーズな多職種間連携
健康リスクの発見と対策
健康管理において特に大切なのは、健康リスクの早期発見と早期対処です。早期発見には、定量的かつ継続的な従業員の健康状態のチェックとフォローが重要です。同時に、要因が事業場内にある場合は、必要に応じて職場環境の改善や人材配置の転換といった対策が求められます。
早期発見および早期対処のための取り組みを効率化するには、対象者データの抽出や分析をスムーズに行う必要があります。健康管理システムを導入すればデータの管理や抽出・分析が可能になり、従業員の健康状態が可視化されて課題を早期発見しやすくなるでしょう。
【業務効率化のポイント】
・対象者データの抽出および分析
・健康管理システムの導入
健康管理システムを導入するメリット
健康管理の業務効率化には、ストレスチェックや健康診断結果のデータ化およびデータの抽出・分析が欠かせません。そこで役立つのが健康管理システムです。ここでは、健康管理システムを導入するメリットを紹介します。
データの一元管理が可能
健康管理システムなら、これまで紙やエクセルなどで管理していた各種データを一元管理できます。紙のファイリング作業の手間を削減できるとともに、必要な情報を即時に検索・表示可能です。また、ペーパーレス化の代行ができるサービスも存在するので、ペーパーレス化を検討していた企業にとっては進めやすく、初期導入がしやすいというメリットもあるでしょう。
データ抽出・分析によりリスク者への早期フォローアップが可能
データの一元管理によって、検索機能を用いてのデータ抽出・分析が可能です。そのため、高リスク者の早期発見・早期対処が可能になるというメリットがあります。また、健康状態を可視化できるので、エビデンスに基づいた健康リスクの分析・予測にも役立つでしょう。産業医面談や相談窓口の案内も行っており、リスク者への早期フォローアップも実現できます。
未受診者へのリマインドを自動化できる
ストレスチェックや健康診断の未受診者の抽出にくわえて、未受診者に対するリマインドメールや要再検査者に対する受診勧奨メールを一括送信できます。受診率のアップにつながり、従業員の心身の健康維持・向上に役立つでしょう。
診断結果や労基署提出書類のエクスポートが可能
ストレスチェックや健康診断の結果を労働基準監督署に報告するにあたり、高リスク者への対応履歴記録や労基署提出書類のエクスポートが可能な健康管理システムを活用すれば、報告書の作成が容易になります。拠点ごとに必要項目の集計を簡単に行えるため、報告書作成の業務負担軽減につながり、報告に付随する各作業もスムーズに行えるようになるでしょう。
健康管理の業務効率化には健康管理システム導入がおすすめ
健康管理システムを活用すれば、煩雑で手間のかかる健康管理業務の削減・効率化が可能です。健康管理の重要性が高まっている今だからこそ、効率よく業務を遂行するために健康管理システムを導入しましょう。
健康管理システム「WELSA」には、データの一元管理にくわえて詳細な検索機能による対象者の抽出・リマインド作業、リスク分析・予測などの業務効率化に役立つ機能が充実しています。ペーパーレス化代行により、初期導入もスムーズです。また、操作性の高いUIが備わっているため、従業員がスマホで簡単に操作しやすい点もメリットです。
「WELSA」を活用すれば、業務の効率化をはかれるだけでなく、従業員自身の健康に対する意識付けを強化し、全社的な健康維持・向上のための職場づくりが可能となるでしょう。健全な職場づくり実現のために、ぜひ「WELSA」の導入を検討してみてください。