健康管理システムとは?導入目的とメリット・選定ポイントを解説
新型コロナの流行やテレワークの普及により、心身の健康状態に影響が出ている人が増えています。企業としては従業員の健康状態を継続的かつ定量的に把握し、健康管理に努めることが重要です。そして健康管理を円滑に行うには、健康管理システムが役に立ちます。
この記事では「健康管理システムとは」をテーマに、導入の目的やメリット、選定のポイントなどを解説します。それらを踏まえた上で自社に適した健康管理システムを導入し、効率よく従業員の健康管理を行っていきましょう。
目次
健康管理システムとは?
健康管理システムとは、従業員の健康に関するデータを一元管理するとともに、関連した事務業務を効率化できるシステムのことです。企業には従業員の健康に配慮した職場づくりを整備する「安全配慮義務」があることにくわえ、ストレスチェックの義務化やテレワークによる運動量の低下・ストレス増加といったさまざまな要因から、健康管理システム導入の意義が非常に高まっています。
2015年12月にストレスチェックが義務化された際には、予算をかけてストレスチェックを外注している企業がほとんどでした。昨今では、健康管理システムを導入してストレスチェックを実施する企業が多数存在します。健康管理システムにはストレスチェック機能が含まれていることに加え、健康診断結果なども記録できます。コストを抑えられるだけでなく、メンタルとフィジカルの情報を一元管理できるというメリットがあるのです。
健康管理システムを導入すれば、従業員の健康に関するデータを一元管理し、人事労務担当者にとって負担となっている煩雑な業務を効率化できるため、事務コストの軽減につながります。
- 社内外の保健業務関係者(産業医含)への事前説明
- 社内IT・セキュリティ部門への確認
- 導入までのタスク管理
健康管理システム導入の目的・メリット
健康管理システムは、自社の課題解決や目的に合わせて導入することが重要です。ここでは、健康管理システム導入の目的とそれに伴うメリットを解説していきます。
労働基準監督署への報告書作成作業の軽減
ストレスチェックや健康診断の結果は、労働基準監督署への報告が義務付けられています。報告にかかる事務作業の効率化をはかるには、健康管理システムが便利です。
健康管理システムを活用すれば、ストレスチェックや健康診断の結果データから必要項目を集計できるため、労基署への報告書作成をはじめとした事務作業の工数を削減可能です。また、ファイリング作業や管理の手間も省けるといったメリットにもつながります。
健診結果のデータをもとにフォローアップ業務を一元化
高リスク者への速やかなフォローアップ業務には、健康管理システムが役立ちます。一般健康診断や特殊健康診断などで異常が見つかった従業員に対する特定保健指導や再受診勧奨などの業務を一元化して効率的に運用できるため、重症化する前に高リスク者へのフォローがしやすくなるといったメリットがあります。
労働環境の課題発見と改善
労働環境の課題を早期発見して改善することは、従業員の心身の健康を維持・向上するために重要です。勤怠情報や生活習慣などあらゆる健康情報を一元管理できる健康管理システムを活用すれば、労働実態を把握しやすくなるため、長時間労働をはじめとした課題の洗い出しが可能となります。課題解決に向けた取り組みも迅速に行うことができ、働きやすい環境の構築にもつながります。離職率の低下や生産性の向上が期待できるでしょう。
保健師や産業医との連携強化
保健師や産業医との連携を強化したい場合にも、健康管理システムの導入がおすすめです。データの一元管理にともない、すぐに情報が共有できます。また、産業医等の管理画面が用意されている健康管理システムなら、多職種連携が取りやすくなるというメリットもあります。連携を強化できれば、リスク者の早期発見と早期対応に役立つでしょう。
健康管理システムの主な機能
健康管理システムにはどのような機能が備わっているのでしょうか。ここでは、健康管理システムの主な機能を紹介します。
ストレスチェック
ストレスチェックの実施が可能で、中には57問と80問の質問票の用意にくわえ、自由質問の追加が可能なシステムもあります。受検結果のデータ管理、受検率の確認、未受検者への受検勧奨メール送信、高ストレス者の自動判定といった機能が備わっています。
健康診断の予約管理および健診結果のデータ管理
受診率の確認、未受診者への受診勧奨メール送信といった健康診断の予約業務だけでなく、健診結果のデータ一元管理も可能です。経年グラフの閲覧やデータ抽出、グラフでの視覚化といった機能が搭載されていて、健康データの可視化に役立ちます。
労働基準監督署への報告書作成支援
データの一元管理により、必要なデータをすぐに抽出可能です。レポート作成機能があるため、労働基準監督署への報告書作成が容易に行えるようになります。
産業医や保健師との面談や再受診などのフォロー記録と効率化
ストレスチェックや健康診断の結果をもとに面談が必要な従業員を抽出し、産業医の面接指導の予約案内やメンタルヘルス相談窓口の案内をすることが可能です。面談記録管理機能もそなわっていて、面談をもとに再受診勧奨ができるため、高リスク者へのフォローアップ業務の効率化に役立ちます。
健康リスク分析
ストレスチェックや健康診断の結果データを一元管理できるため、健康リスク分析や重大疾病の発症リスクを予測することが可能です。健康課題を抱えた組織や要因の把握・早期発見・早期対策が容易になり、改善すべき点の把握に役立ちます。
健康管理システムの種類
健康管理システムにはクラウド型とパッケージ(オンプレミス)型の2種類があり、自社に合った製品を選ぶことが大切です。ここでは、両者の仕様の違いや特徴について解説していきます。
クラウド型
クラウド型では、オンライン上のサーバーを使い、Webブラウザやアプリを通してサービスが利用できます。月額料金での利用が一般的なため長期的に使うほどランニングコストがかかりますが、初期費用を抑えられて導入しやすいというメリットがあります。
また提供会社が運営・管理を行っているため、セキュリティ面でも安心で障害が起こりにくい点も特徴です。制度変更やシステムセキュリティに関する改修、機能改善なども提供側で適宜実施しアップデートされていくため、導入後のメンテナンスや買い替えといった業務・コストを削減できます。
パッケージ(オンプレミス)型
パッケージ(オンプレミス)型は、自社でサーバーを用意してシステムをインストールする買い切りタイプのシステムです。サーバーの用意やセキュリティ対策など初期費用がかかるため、クラウド型に比べ費用は大きくなる傾向があります。
また、自社で運用・管理できるため、使いやすいように機能をカスタマイズできるというメリットがあります。一方で、システム障害が起こった場合には対応を自社で行わなければならない点や、新しいバージョンのインストールといった手間・コストがかかる作業も多い点はデメリットといえるでしょう。
健康管理システムの選定ポイント
数ある健康管理システムの中から自社に合ったものを導入するために、選定ポイントを押さえておきましょう。
導入のしやすさ
初期導入が簡単に行える健康管理システムのほうが、スムーズな運用が行えます。費用面、セキュリティ面などを踏まえると、クラウド型がおすすめといえるでしょう。ペーパーレス化代行のサポートを行ってくれるシステムを選べば、より初期導入が容易になるだけでなく、導入後のデータ管理もしやすくなります。
使い勝手の良さ
せっかく導入しても、操作しづらいシステムでは意味がありません。導入するのであれば、人事労務担当者や産業医だけでなく、従業員も使いやすいシステムであることが選定のポイントといえます。従業員にとってはスマホで対応できるといった手軽さや、操作性の高いUIであることが重要です。学習コストが少ないほうが定着しやすく、継続的な運用につながります。
機能の充実性
業務効率化をはかるためには、機能が充実している健康管理システムを選ぶことが大切です。ただし、基本的な機能(データの一元管理・データ分析と抽出・リスク予測・リマインド業務の自動化など)が備わっているかだけでなく、実際に使いやすい抽出方法かなど操作性も重視しましょう。
健康管理システムは導入しやすく使い勝手の良いものを選ぶことが重要
健康管理システムは業務効率化をはかるだけでなく、従業員の健康リスクの予防・発見・対策にも役立ちます。健康データの分析・評価機能が備わった健康管理システムなら、従業員の健康を維持するための職場づくりを推進しやすくなり、導入のメリットも大きいでしょう。
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