健康診断結果をデータ化するメリットと外部サービス選定時のポイント
テレワークの普及により、多くの企業ではペーパーレス化の対応が求められています。しかし、健康診断の結果はデータ化がほとんど進んでおらず、煩雑で手間のかかる健診業務に苦労している人事労務担当者も多いでしょう。
この記事では、「健康診断結果をデータ化するメリット」や「データ化を推進するための外部サービスを導入する際の選定ポイント」を解説します。自社に最適な外部サービスを導入して、業務効率化のために健康診断結果のデータ化を進めましょう。
目次
健康診断結果をデータ化するメリット
健康診断結果をデータ化すると、主に2つのメリットを得ることができます。
余計な作業・コストの削減
健康診断結果をデータ化すると、余計な作業やコストの削減が期待できますたとえば、産業医の押印のための印刷コストや、診断結果を受け取るための従業員の出社、従業員宅への健診結果の郵送作業、労働基準監督署への提出などの業務を削減できます。
健康促進のためのPDCAを回せる
健康診断結果のデータ化を行わない場合、結果の回収・整理に時間がかかります。そのため、高リスク者の発見および対応が遅れ、健康状態の悪化を招くとともに結果的に長期休養が必要になる可能性も考えられます。休職者やメンタルヘルス不調者が出ることによって人事労務担当者は対応に追われてしまい、人材不足を引き起こし職場の生産性が低下する可能性もあるでしょう。
健康診断結果をデータ化すれば、こうした悪循環を改善できます。データの一元管理によって集計・分析が簡単に行えるため、従業員の健康状態を定量的かつ継続的に把握可能です。高リスク者を早期発見することで、産業医と連携しながら速やかなフォローアップができるでしょう。
健康診断結果のデータ化により効率化できる業務
健康診断結果をデータ化することで、煩雑で手間のかかる健診業務を効率化できます。具体的な業務を見ていきましょう。
健康診断結果の回収や管理
健康診断結果の回収や従業員用結果の配布、保管用のファイリングなどの業務が効率化できます。また、紙の保管に要していた保管場所の確保・管理が必要なくなり、書類紛失などによる個人情報漏洩のリスク対策にもつながります。
フォローアップ
データ化によって健康診断結果のデータ整理・集計の業務を効率化できるため、有所見者の抽出や産業医や保健師への速やかな情報共有が可能です。多職種連携により、従業員の休職やメンタルヘルス不調を予防するための働きかけがしやすくなります。
報告書の作成
健康診断結果の報告書は労働基準監督署への報告が義務付けられています。手間のかかる報告書の作成も、データ化によって効率化が可能です。健康診断結果をデータ化することで有所見者の把握が容易になり、必要項目の集計が可能となるため、報告書の作成に必要な情報の整理を簡単に行えます。
提出方法は労働基準監督署への直接提出か郵送での提出が一般的ですが、「e-Gov」を使えば電子での申請も可能なのでさらに提出の手間を削減できます。
参考:e-Gov電子申請
データ化が進まない理由と課題
健康診断結果の管理においてデータ化が進まない理由は複数あります。
・健康診断の結果が紙で郵送される
・個人票や報告書に産業医の捺印が必要だった
・過去の健康診断結果をデータ化対応できない
上記の理由の中でも、クリニックから健康診断の結果が紙で郵送されてくることがデータ化が進まない一番の要因として挙げられるでしょう。2019年4月に「健康情報取扱規程」が義務化され、企業は従業員の健康状態の取り扱いについて、取り扱う担当者とその範囲、取り扱い方法などを定めなくてはならなくなりました。こうした健康状態取扱規程の取り組みを企業がどのように行っているのかをクリニック側では把握できないため、個人情報保護の観点から封書での郵送対応が続いています。
また、労働安全衛生法によって健康診断個人票や定期健康診断の報告書には産業医の捺印または電子署名が必要でした。そのため、たとえ一度データ化しても紙に印刷しなければならず、逆に業務の手間が増えてしまうという結果につながっていました。
しかし、2020年8月に法改正が行なわれ、産業医の捺印および電子署名が廃止となりました。くわえて労働基準監督署への報告が電子申請可能になり、個人票のデータ保管も認められたことによって、データ化に向けた環境は整いつつあります。
健康診断結果のデータ化を進めるためのポイント
健康診断の結果はただデータ化すれば良いというものではありません。ここでは、健康診断結果のデータ化を進めるにあたり、注意点や押さえておきたいポイントを解説します。
紙をPDF化するだけでは意味がない
データ化といっても、紙をスキャンしてPDFファイルにしただけでは意味がありません。PDFや画像データとして保存した場合、データ集計ができないため、健康データの分析や抽出などの業務効率化を図ることができなくなってしまいます。自社で対応する場合は、ExcelをはじめCSV形式でデータ化することが望ましいでしょう。
データ作成からアップロードまで一括委託
紙からデータに切り替えるときの落とし穴は、アップロード作業を自分で行う場合に確認項目や注意点が多く、工数が肥大化してしまうという点です。Excelへの手入力作業も工数がかかりますが、たとえデータ作成を外注できたとしても、アップロードする際には単位の確認・従業員番号の照会・従業員名の確認などを行わなければなりません。そのため、外部サービスを利用する際にはデータ作成からアップロードまで一括で委託できるサポートがあるかどうかを確認しておきましょう。
郵送される紙の健診結果を電子化するように調整
クリニックから郵送された紙の健康診断結果を自社でデータ化することも可能ですが、Excelによる手打ち入力は工数の肥大化を招きます。そのため、データ形式で健康診断結果を受け取れるようにあらかじめクリニックに相談・依頼しておくのもポイントです。
外部サービス選定時に重視すべきポイント
外部サービスを活用して健康診断結果のデータ化を行う場合、自社にとってよりメリットのあるものを選定することが重要です。ここでは、外部サービス選定時に重視すべきポイントを解説します。
健康情報管理規程への理解度とPマーク・ISMSの取得
外部サービスを活用する場合は、個人情報である健康診断結果をサービス事業者に提供することになります。そのため、企業が健康情報管理規程を策定して、外部サービスに情報提供を行うことへの了承を衛生委員会から得なければなりません。こうした個人情報の取り扱いに関する業務が発生するので、健康情報管理規程への理解度が高い外部サービスを選ぶことが重要です。
客観的にセキュリティレベルの高さを判断するためには、プライバシーマーク(Pマーク)やISMS(ISO27001)を取得しているかどうかがポイントです。また、同じ業界での実績の有無を確認することも、万全なセキュリティ対策を行っているかどうかの判断基準となります。
利用価値があるかどうか
外部サービスを活用しても、業務効率化や生産性の向上が実現できなければ意味がありません。ペーパーレス化代行に対応している・バックアップ対策が整っている・納品までのスピードが速い・フォーマットや基準値を統一してデータに落とし込んでくれるなど、精度の高さやスピーディーさといったさまざまな面から総合的に評価し、自社にとって利用価値があるかどうかも吟味しましょう。
サポート機能の充実性と利便性
健康管理システムを導入するのであれば、サポート機能の充実性と利便性の高いものを選ぶことが大切です。PDCAに活かせる形での健康診断結果のデータ一元化、検索機能、未受診者・再受診者へのリマインドメール自動化など、業務を効率化しやすい機能が充実しているかどうかを確認しておきましょう。また、人事労務担当者・産業医・保健師といった複数の担当者が使いやすく、同時に従業員が健康データを登録しやすいUIになっているかという利便性・操作性の高さも選定の基準といえます。
健康診断結果のデータ化に最適な「WELSA」の特徴
数ある外部サービスの中でも、健康管理システム「WELSA」は健康診断結果のデータ化に最適です。その理由を「WELSA」の特徴とともに解説していきます。
ペーパーレス化代行
紙からデータ化に切り替えるためのペーパーレス化を代行しています。「WELSA」ではデータ化からアップロードまでを一括でサポートするため、手間がかからず初期導入がスムーズに行える点が特徴です。ペーパーレス化により、健康診断結果の回収作業や紙のファイリング作業などの業務工数を大幅に削減するとともに、紙データの紛失防止、人事労務担当者のテレワーク推進にもつながります。
データを一元管理
健康診断結果のみならず、ストレスチェックの結果や面談記録・保健指導に必要な書類など、従業員の健康に関するデータを一元管理可能です。必要な情報を即時に検索・表示可能となるため、検索業務を効率化するだけでなく産業医や保健師との連携も取りやすくなります。
データの集計・抽出
健診機関によって異なるフォーマットや判定基準をそろえて保存することができるので、データの管理・集計が簡単に行えます。そのため、判定結果の管理や未受診者・再健診対象者・高ストレス者・就業制限対象者などの抽出が可能です。高リスク者への面接指導案内や未受診者への受診勧奨メール送信といったフォローアップにも役立ちます。また、拠点ごとに必要項目の集計が簡単に行えるので、労働基準監督署への報告書作成も効率化できます。
データの分析・予測
健康診断やストレスチェックの結果をもとにデータを分析し、健康リスクの評価や重大疾病リスクの予測が可能です。健康リスクの早期発見と早期予防ができるため、生活習慣の改善や職場環境の改善などの対策に役立ちます。また、組織ごとに分析できるレポートも備わっています。
健診結果をPCやスマホから確認可能
従業員は健康診断とストレスチェックの結果にくわえ、健康リスク評価や重大疾病リスク予測の分析結果もPCやスマホから確認できます。使いやすく分かりやすいUIを採用しているので、従業員の使用の定着につながるだけでなく、多職種連携が取りやすいというメリットもあります。
強固なセキュリティで安全・安心
厚生労働省・経済産業省・総務省の3省の、クラウドサービス事業者・情報処理事業者に対するガイドラインに準拠しているため、強固なセキュリティによる安全・安心なデータ管理で従業員の健康情報を守ります。また、案内業務をシステム化することにより、個人情報の取り扱いにおけるミスや漏れも防止可能です。
健康診断結果のデータ化には「WELSA」がおすすめ
健康診断結果のデータ化を進めれば、煩雑で手間のかかる健診業務を効率化できます。健康診断結果のデータ化には、健康管理システム「WELSA」が役立ちます。「WELSA」は機能性と操作性が高くサポート面やセキュリティ面でも安心なので、スムーズなデータ化に向けてぜひ導入・活用してください。