健康経営推進のために必要な組織体制と計画策定のポイント

「健康経営」とは、従業員の健康状態の維持・向上が将来的に企業の成長や利益につながるという考えのもと、健康管理を経営的視点から考えて戦略的に取り組むことです。しかし、健康経営についてどのように推進すれば良いのか分からないという人事労務担当者は多いでしょう。
この記事では、「健康経営の推進」を行うために必要な組織体制と計画策定のポイントを解説します。ポイントを押さえて正しく健康経営に取り組むことで、企業の業績向上が期待できるでしょう。

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健康経営が求められる背景と重要性

健康経営の重要性が高まっている背景として、新型コロナの流行によるテレワークの普及や従業員のメンタルヘルス不調の増加、さらには高齢化社会における従業員の高齢化といったさまざまな要因が挙げられます。中でも、テレワークによって不調を感じている人が精神的なストレスを認識している割合は61.3%にも及び、早急な対処と従業員のケアが必要です。

参考:(経済産業省「健康経営の推進について」)

従業員が心身の健康に不調を起こすと、集中力や意欲の低下を招き、生産性の低下につながります。また、症状が悪化すると休職・退職に至り、離職率の増加による人材不足や業績低下といったデメリットが生じる可能性があります。こうしたリスクを回避するとともに企業の業績アップをはかるためにも、健康経営を推進して従業員の健康に投資することが重要です。

健康経営を推進するメリット

健康経営を推進することは、企業にとってたくさんのメリットをもたらします。ここでは、健康経営を推進することで得られる具体的なメリットについて解説します。

生産性の向上

健康経営を推進することで従業員が心身ともに健康になれば、集中力や意欲が向上して高いパフォーマンスを発揮できるようになります。そのため生産性が向上し、組織全体として士気が高まるとともに、企業の成長や業績アップにつながるというメリットがあります。

従業員の離職率の低下

健康経営を推進することは職場環境の見直しや改善にもつながり、従業員が働きやすい環境を実現できます。従業員が心身ともに健康で働くことができれば、メンタルヘルス不調に陥りにくくなり、休職や退職を予防できるでしょう。結果として離職率の低下につながります。

リスクマネジメントができる

リスクマネジメントとは、企業にとって不利益になりうるリスクを管理して、そのリスクによる損失を回避・最小限に抑えるプロセスのことです。健康経営を推進すれば、リスクマネジメントにもつながります。従業員が心身ともに健康なら、企業が負担する医療費の減少・新たな人材の確保にかかるコストの削減・労働災害の防止など、あらゆるリスクを回避・低減できます。

企業のブランドイメージ向上

健康経営を推進すると「従業員の健康に配慮した優良企業」としてブランドイメージが向上します。経済産業省が優良な健康経営を実践している企業を顕彰している「健康経営優良法人」に認定されていれば、社会的な評価や信頼度も高まり、社内外から好印象を得られるでしょう。付随的に有能な人材の確保につながるというメリットもあります。

健康経営を促進するための組織体制

健康経営を推進および促進するためには、実行力のある組織体制が必要です。組織づくりを行うにあたり、方針に応じて専門部署の設置や担当者を決めましょう。
健康経営をトップダウンで進めるために、責任者には社長や役員といった経営層の人間が就くことが大切です。効果的な取り組みにするには、人事部などに担当者を置くほか、産業医や保健師、健康経営アドバイザーなどの専門知識のある人材と連携を取ることも重要になってきます。自社の担当者が健康管理に対する知識がない場合は、健康管理研修を実施しましょう。
また、組織全体で健康経営に取り組むためには、従業員自身の健康維持・向上に向けた意識付けとセルフケアも欠かせません。各部署の管理職が参画して部下への情報共有や行動変容の促しを行いながら、組織全体での体制を整備することが大切です。

健康経営の計画策定におけるポイント

健康経営推進の組織体制を整備したら、次に明確な計画の策定を行います。健康経営の計画策定をするうえでどのような点に留意すべきか、そのポイントを見ていきましょう。

課題の把握

健康経営の推進のためには、自社の課題を把握する必要があります。ストレスチェックや健康診断の結果をもとに、従業員の健康課題や残業時間、有給休暇の取得状況を把握して「特定の従業員の残業が多い」「特定の部署で高ストレス者が多い」といった課題や改善すべき点を探します。
また、テレワークによって従業員の勤務状態や健康状態を把握しにくい場合もあるため、健康管理システムの導入やアンケートの実施などで「健康状態の可視化」をすることも大切です。

課題解決に有効な取り組みの設定

課題の洗い出しができたら、課題解決のために有効な取り組みを設定します。施策例としては「ノー残業デーを導入し、残業時間を削減する」「ジム利用の費用を補助し、運動を促進する」「健康づくりセミナーを開催し、健康意識を高める」などが挙げられるでしょう。
効果的な取り組みとするために、成果の目標値と目標年度を明確化することが重要です。そうすることで、現段階での取り組みの効果検証や、実施後の施策の評価・改善策の立案が容易に行えるようになります。

施策実行に向けた土台作り

課題の把握および取り組みの設定ができたら、いよいよ施策実行の段階に移ります。効果のある取り組みとするためには、土台作りが欠かせません。「健康に関する知識向上のための研修実施」「心身の健康を維持できる就業規則・社内ルールの整備」など、スムーズに施策を行える環境を整えておきましょう。
また、優先順位をつけながら、どの施策をどれくらいの期間でどの程度行っていくかといった段取りのスケジューリングを綿密に行うことも重要です。併せて実施結果の効果検証と改善施策の導入も計画に組み込んでおくと、健康経営の具体的な全体像を把握できて実施しやすくなります。

健康経営実施企業の事例

健康経営を実施している企業の事例を参考にすることは、自社で健康経営を推進していくうえで非常に大切です。最後に、実際に健康経営を実施している企業の事例を紹介します。

【日本水産株式会社】柔軟な働き方の制度を拡充

日本水産株式会社では、育児や介護などのさまざまな家庭事情を抱える従業員が働きやすいよう、柔軟な働き方を整備しています。
<主な取り組み>
 ・時間管理システムと勤怠実態の乖離を把握し、労働時間管理の適正化を行う
 ・休暇の年間計画や連続取得、時間単位休暇、コアフレックス制の導入と整備
この結果、実労働時間の減少や在宅勤務の活用に伴う出社率低減の維持につながり、事情を抱えた従業員でも働きやすい職場環境が実現しました。

【花王株式会社】先駆的な取り組みで健康づくりをリード

花王株式会社では、テレワークの常態化によって体重が2kg以上増加した従業員が27.9%もいたことを踏まえ、職場の健康づくりをリードした取り組みを行って います。
<主な取り組み>
 ・全社員を対象とした減量イベントの実施
 ・オンラインラジオ体操
 ・健診前に個別で減量に取り組むキャンペーン
減量イベントでは、参加者の35.7%が2kg以上の減量に成功しました。イベントを通じて運動習慣の定着化をはかるとともに、行動変容を推進して従業員のセルフケアの意識向上に努めています。

【マルハニチロ株式会社】1 on 1ミーティングの全社導入で健康状態を把握

マルハニチロ株式会社では、メンタルヘルス不調による休職が相次いでいる事態を踏まえ、従業員の心身の健康状態を現場でフォローする取り組みを行っています。
<主な取り組み>
 ・パルスサーベイ(会社が社員の満足度や心の健康度を把握するための調査)の実施
 ・1 on 1ミーティングを全社で実施
 ・臨床心理士を配備して専門の相談窓口を設置
 ・管理職や人事部門に向けたメンタルヘルス教育の強化
従業員ごとの健康状態をきめ細かく把握する取り組みを実施するとともに、メンタルヘルス対策を強化したことによって、再休職者の減少やストレスチェックの集団分析における総合健康リスクの良化につながりました。

参考:(経済産業省「2022 健康経営銘柄 選定企業紹介レポート」) 

円滑な健康経営推進に向けて

健康経営は、効果的に推進すれば企業へのリターンが非常に大きい取り組みです。円滑に健康経営を推進するためにも、健康データの一元管理と対応履歴記録、関係者間での共有ができる仕組みを用意する必要があります。また、健康課題の分析・抽出を容易にし、課題に対しては社内外連携で対策立案・実行をはかれることが重要です。こうした体制の実現に役立つのが、健康管理システム「WELSA」です。
「WELSA」は健康データの一元管理が可能で、健康リスク分析や評価のサポートを行うだけでなく、健康課題における対策や多職種協働も支援します。自社で健康経営に取り組む際に、ぜひお役立てください。

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