健康診断の料金相場は?費用を安く抑える方法と受診機関の選び方について解説

健康診断を実施するうえで、受診機関の選定や予約、健康診断結果の回収・保存など人事労務担当者が行う業務は少なくありません。また、作業の負担だけではなく、費用面でも企業にとって負担であり、できるだけ健康診断の費用を安く抑えたいと考える企業も多いのではないでしょうか。

この記事では、健康診断の料金相場と費用を安く抑えるための方法について解説します。費用を安く抑えたうえで自社に適した受診機関を選ぶことができれば、効率的な健康診断の実施につながるでしょう。

健診実施以外にかかる費用を減らす
健康診断の料金以外にも、健診結果を回収し従業員へ共有するなど人的コストがかかります。ペーパーレス化できる健康管理システムの導入がおすすめです。
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健康診断の費用は会社負担

労働安全衛生法第66条に基づき、企業には常時使用する従業員に対して健康診断を実施する義務が定められています。この義務に違反した場合は50万円以下の罰金が科せられる可能性があるため、企業は必ず健康診断を実施しなければなりません。また、労働安全衛生法第66条では、健康診断の費用について企業が全額負担することも定められています。

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(2) 第六六条関係
イ 第一項から第四項までの規定により実施される健康診断の費用については、法で事業者に健康診断の実施の義務を課している以上、当然、事業者が負担すべきものであること。

引用:(厚生労働省「労働安全衛生法および同法施行令の施行について」)

健康診断が会社負担とならないケース

先述の通り、健康診断の費用は企業が負担することが法律によって定められています。しかし、法定の健康診断以外の検査項目を受診した場合は会社負担とならないケースもあるので、正しく理解しておきましょう。

法定外項目の検査(オプション検査)

健康診断は法律で定められた検査項目の他に、任意で受診できる法定外項目のオプション検査があります。法定項目以外の検査を受ける場合、費用は従業員の自己負担となることが一般的です。ただし、産業医がオプション検査の受診が必要と判断した場合や会社が受診を指示した場合などは、会社負担とすることが望ましいでしょう。

実際に、昨今では企業の健康経営や個人の健康志向の高まりによって、子宮がん検診や乳がん検診など婦人科疾患の費用を会社負担とするケースも増えてきています。

会社としての支援範囲を定め、どの検査項目が会社負担となるのかを事前に従業員にしっかり伝えておくことが重要です。

人間ドック

人間ドックは会社側には実施義務が定められておらず、従業員の自己負担が原則です。ただし、人間ドックの結果を健康診断として代用する場合など、企業と従業員間でのルールを決めたうえで会社負担とする企業も少なくありません。またオプション検査同様、健康経営の機運の高まりから人間ドックを会社として推奨し費用負担する企業も多くあります。

なお助成金を活用できる場合もあるため、会社負担する際には確認することをお勧めします。

再検査

健康診断において異常の所見が認められた場合、再検査が必要です。再検査は法律によって実施が義務付けられていないため、会社が費用を負担する義務はなく、基本的に従業員の自費負担になります。しかし、安全配慮義務の観点から再検査の費用を会社負担とする、勤務時間内に再検査を受診できるようにするなど、従業員が再検査しやすいように配慮することが望ましいでしょう。また、特殊健康診断における再検査は会社負担になるので要注意です。

健康診断の平均費用

続いて、企業が負担する健康診断の平均費用について見ていきましょう。健康診断は保険適用外のため、自由診療となります。地域や受診機関によって費用は異なりますが、定期健康診断の場合の平均費用は1人あたり5,000円~15,000円前後が相場です。

また、東京都の平均費用は1人あたり10,000円前後です。例として、東京都の受診機関における定期健康診断の費用をいくつか見てみましょう。

医療機関名定期健康診断費用ホームページ
二子玉川メディカルクリニック7,700円https://nicotama-cl.com/
三田国際ビルクリニック10,000円https://www.mkb-clinic.jp/
新宿健診プラザ9,900円http://nikkenkyo.or.jp/shinjuku/
丸の内クリニック14,850円https://www.marunouchi-c.org/
IMS Me-Life クリニック11,000円https://imsgroup.jp/yobou

健康診断の種類や検査項目、受診人数によっても費用が異なる場合があります。次項で解説するポイントをしっかり押さえて、健康診断の費用削減につなげていきましょう。

健康診断の費用を安く抑える方法

次は健康診断の費用を安く抑える方法について解説します。

助成金を活用する

健康診断の費用を安くするために活用したいのが、協会けんぽや自治体などの助成金制度です。たとえば、協会けんぽに加入していると35歳以上の加入者を対象に補助を受けることができます。

引用:(協会けんぽ「令和4年度 生活習慣病予防健診のご案内」)

助成金制度を利用する際は、自社が健康診断を実施する健診機関で活用できるかを必ず確認しておきましょう。

健康管理システムを導入する

健康診断は受診にかかる費用だけでなく、従業員への受診勧奨や高リスク者への事後措置など、関連業務にも多大な人的コストがかかります。このような関連業務の効率化に役立つのが、健康管理システムです。健康管理システムを導入すれば、健康診断結果のペーパーレス化にくわえて未受診者への受診勧奨、高リスク者の抽出、産業医の面接指導の案内など人事労務担当者の業務の手間を減らせるため、人的コストの削減につながるでしょう。

複数の健診機関を比較検討する

費用の安い健診機関を見つけるためには、複数の健診機関を比較検討しましょう。ただし、安さだけで健診機関を選んでしまうと、場合によっては調整コストや事務コストなど実費以外の部分で負担がかかってしまい、本末転倒になるケースもあるので注意しなければなりません。複数の健診機関を比較検討する際は、健診費用以外の部分も視野に入れて総合的に判断することが大事です。

健診費用以外のコストを抑えるために受診機関選びで確認するべきポイント

健康診断を実施する際には、費用だけでなくさまざまなコストがかかります。費用以外の部分も確認することで、より自社に合った健診機関を選定できるでしょう。ここでは、受診機関選びにおいて費用面以外で確認するべきポイントについて解説します。

健康診断の受けやすさ・施設環境

健康診断の実施は企業の義務ですが、実際に健康診断を受診するのは従業員です。そのため、従業員が受診しやすい施設を選ぶことも重要なポイントといえるでしょう。特に確認するべき項目は、以下の通りです。

・アクセスのしやすさ(会社から近い場所にあるか、駅から近い場所にあるか)
・予約のしやすさ
・清潔でできるだけプライバシーの確保が図れる環境か
・健康診断に抵抗がある従業員への配慮が可能か
・再検査や精密検査が同じ施設で受診可能か

従業員にとって受診しやすい施設を選ぶことで健康診断の受診率向上にもつながり、未受診者へのリマインド業務をはじめとした人事労務担当者の手間や負担を軽減して人的コストを抑えられます。

健康診断結果の受け取り方法

健康診断結果の受け取り方法について、紙で郵送しているのか、データでの受け取りが可能かどうかなどを確認しておくことが大切です。データで受け取ることができれば、健康診断結果の回収・保存、高リスク者の抽出、産業医との情報連携などの業務を効率化できるため、人的コストの削減につながるでしょう。

健康診断の関連業務の効率化には健康管理システムの活用を

健康診断を実施する際は、費用の削減だけに焦点を当てるのではなく、人的負担の軽減のために関連業務を効率化することも意識しておきたいポイントです。特に、健康診断結果をデータで提供してくれる健診機関を選ぶことで、さまざまな事務コストを削減できるでしょう。また、健康管理システムを導入すれば、健康診断の業務効率化をさらに推進できます。

健康管理システム「WELSA」なら、未受診者への受診勧奨やフォロー対象者の抽出が容易に行えるので、人事労務担当者の負担軽減につながります。また、健康診断結果のデータ管理による健康データの可視化、エビデンスに基づいた健康リスクの分析・予測も可能となるため、実効性の高い健康管理に役立つでしょう。操作性が良く、従業員が使いやすいUIも特徴です。健康診断の業務効率化を図るのであれば、ぜひ「WELSA」をご活用ください。

健診実施にかかる作業負担を減らす
健康診断の実施には従業員への日程調整や受診勧奨、結果の管理や配布など多くの作業が伴います。業務負担を減らすために健康管理システムでデータ化・ペーパーレスを推し進めましょう。
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